ずっと中京のダート2200〜2300mで行われてきたが、2010年から京都のダート1900mに変わった。また、小さな変更だが、今年から斤量のベースが牡馬56kg(牝馬2kg減)になったのも、期待したい馬によってはちょっと重要である。
大柄で馬体重500kg以上馬が珍しくない男馬のダート巧者にとっては、斤量ベースが57から56kgになったぐらいはなんでもないが、他場より心もち速いタイムが記録される京都に移ったうえ、たとえ1kgとはいえ負担重量が軽くなって有利は、今回の組み合わせなら、と期待したい「牝馬」ミラクルレジェンドである。
12月のGI「ジャパンCダート」を、定量55kgで、今回も対戦する57kgの牡馬ワンダーアキュートと0秒2差しかなかったミラクルレジェンドにとって、54kgは単なる1kg減にとどまらない。430kg台の小柄な牝馬であるから…。まして、追っての切れで勝負したいこの牝馬に直線に坂のない京都[2-0-0-0]でもある。
もうひとつ、ミラクルレジェンド(父フジキセキ)には特筆級の好材料が、この重賞が距離1900mになってくれたこと。GIのジャパンCダート1800mの6着を別にすると、2000m未満のダートは[9-1-0-0]である。一方、さして距離が異なるわけでもないが、2000m以上は[0-0-1-2]。1900mというのはちょっと微妙だが、同馬にとっては、良績の集中する1800mとわずか100mしか違わないではないか、と考えることはできる。
取るに足らないような小さな数字を並べてしまったが、トップクラスのそろうダートの重賞は、芝コースの内側といういかにも紛れが生じて不思議ない小回りの形態で行われながら、レベルが高くなるほど力通り(順当)に決着することで知られる。ペースだとか、仕掛けどころだとか、不確定要素の占める割合が少ないからである。
ということは、アプローチは多くの場合、些細な要素と思われても、理詰めこそが正解に近いことになる。したがって、今季、ここまでC.ウィリアムズ騎手が重賞[2-2-0-0]というような、直接にはミラクルレジェンドと関係ない理由は加える必要がない。
時計の速い決着が予測される。昨年11月、大井のダート1800mに1分49秒6のレコードを記録しているから、タイムの速いダートなら一段と切れ味が増すだろう。
当然、ワンダーアキュート(昨11年の勝ち馬)が強敵だが、今回はひと息入ったあと。長めの追い切りがやや少ない危険もある。ズブさが出てきて今ではこのくらいの距離の方が合うと思えるバーディバーディも、2番手の互角の評価とする。
連下級、あるいは3連単の3着候補級にニホンピロアワーズ、好調グリッターウイング、上がり馬ソリタリーキング、ヒラボクキングをマークしたい。