スマートフォン版へ

マーメイドS、グルヴェイグはパパ似?

  • 2012年06月14日(木) 18時00分
 今週末のマーメイドSは、牝馬同士のハンデ戦ということで、面白いレースが見られそうですね。

 まずは、今回の主役候補・グルヴェイグ。父ディープインパクト、母エアグルーヴという超良血です。昨年秋は不調でしたが、今年に入って復活。ただいま2連勝中で、角居先生は「やっと、ディープに馬体が似てきたかな」と言います。

 今週火曜は坂路単走で61.1-14.6秒と馬なりで調整。水曜の追い切りはCWに入ってトーセンケイトゥー(4歳500万下)と併せ、71.3-40.3-12.1秒をマーク。その間、手綱はずっと抑えたままでした。

兄姉に続けるか、グルヴェイグ

兄姉に続けるか、グルヴェイグ

 角居先生は「ようやくエンジンがかかってきましたね。もともと姿勢がよく、真っ直ぐ立つので(馬体のバランスは)安定しています。それに、トモに筋肉がついて体質がしっかりしてきた。ここで踏ん張って、秋に備えたい」とおっしゃいました。

 その馬体はツヤツヤと黒光りしており、筋肉が盛り上がって迫力満点。正面か見ると、本当に立ち姿がキレイでモデルのようでした。みるからに好調キープといった感じでしたね。

 ここで3連勝して初重賞制覇すると、4兄弟重賞制覇となります。兄のルーラーシップは来週の宝塚記念に出走予定。これは、2週連続兄妹重賞勝利でしょうか! 楽しみです。

 昨年の樫の女王・エリンコートも、このレースにエントリー。GI制覇後は勝鞍に恵まれませんでしたが、ここにきて復調の気配を見せています。

 追い切りには浜中騎手が跨って、坂路でムスタングリーダー(5歳1000万下)と併せ。52.9-12.2秒、反応もよく0.5秒先着しました。先週も坂路でグラーネ(3歳500万下)と併せを行って51.6-13.0秒。フットワークよく、相手に0.4秒差を付けており、笹田先生は「上々のデキ」と納得の表情でした。

復活を目指すエリンコート

復活を目指すエリンコート

 「腰に疲れが出やすかったが、今は全体にしっかりして馬体も一回り大きくなったね。精神面はまだまだかな(苦笑)…、でもギアが入ればアクセル全開の走りをする馬です」と笹田先生。

 また、「人は着を落とすと、“この馬は走らない”と決めつけてしまう。でも、今はいろいろな条件で、どんなレースが合うか探っていくことが大事だと思っています」とのこと。阪神芝2000mは昨年の忘れな草賞で経験済み。ここをトップハンデで克服できれば、先々がさらに楽しみになります。

 先生は「自信を持って送り出す」と言っていますから、その走りに注目ですね!

 アグネスワルツは、13着に敗れた新潟大賞典からの巻き返しを図っています。宮本厩舎を訪ねると、ワルツの曳き運動をジィ〜っと見つめる宮本先生の姿が。

 ワルツの歩様は脚運びは軽くて、とってもスムーズ。思わず先生に「いい感じですね」と声をかけてしまいました。先生も「そうでしょ」と嬉しそう。

 前走のことを先生は「これまで安定した走りを見せていたんですが、やはり牡馬との対戦は難しかったですね。ピッタリとからまれて、動けませんでした。それでも直線を懸命に走る姿を見て“次はマーメイドだ!”と思ったんです」と振り返りました。

 つまり、ここは予定通りの出走。しかも、今度は牝馬が相手です。

「この馬は、気持ちが大切な馬なんですよ。誰にも邪魔されず、気持ちの入った走りができれば、変わってくれるはず」と先生。僕もワルツの逃げが見たいです!

チャンスありメルヴェイユドール

チャンスありメルヴェイユドール

カシノピカチュウの新馬戦に注目

カシノピカチュウの新馬戦に注目

 最後に僕の気になる馬・メルヴェイユドール。ステイゴールドの妹ということで気性は激しそうですが、これまで2000mでは安定した戦績を残しています。また、今回は50キロと軽ハンデ。

 牧田先生も、鞍上を任される酒井騎手も担当の古閑さんも、、口を揃えて「チャンスあり!」と言っていました。

 昨日の追い切りはポリトラックとはいえ、81.8-11.5秒はかなりの好タイム。動きもキビキビしてよかったですよ。「馬体もふっくらしてきたし、走りに安定感を感じました。一発あるかもしてませんよ」と強気の牧田先生。

 これは見逃せないでしょう。

 そうそう、古閑さんが担当するもう1頭、カシノピカチュウは今週の土曜阪神、ダート1200mでデビュー予定。馬名は馬主さんのお孫さんがつけたんだそうで、カワイイ名前ですよね。

 水曜には酒井騎手を背に坂路単走で52.9-12.8秒の好時計。こちらも、牧田先生は自信アリの様子でしたよ。

 そうそう、馬名にちなんでピカチュウメンコを古閑さんの奥さんが作成。このお手製メンコをつけて、パドックを周回する予定だそうです。こちらも、楽しみ。きっと、子供たちに大人気になるでしょうね。ちなみに、こちらのピカチュウは電撃はしません(いや、あたりまえなんですけどね…)。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1977年8月2日、大阪府生まれ。96年3月に中尾正厩舎所属でデビュー。同期に福永祐一、和田竜二らがいる。96年3月10日、タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビューからの約5か月で12勝をマーク。しかし同年8月、レース中に落馬事故を起こし意識不明に。その後、奇跡的な回復をみせて復帰。03年には中山GJでビッグテーストに騎乗しGIを制覇をする。 04年8月28日、小倉競馬場で行われた豊国JSで再び落馬。レース復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は、栗東トレセンを中心に、精力的な取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)にて『常石勝義のお馬塾』(毎週土曜日9:45〜)に出演中。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング