GI「宝塚記念」の前日。金曜日の雨は上がり、馬場は回復しつつあるが、先週、発表は良馬場に回復したマーメイドSも全体に少しタイムがかかり、直線は外に回った馬の台頭が目立った。今週も芝コンディションの急変は(GIの週とはいえ)ないはずで、シーズン末らしく少し時計のかかる馬場だろう。高速の軽い芝には変化しないと思える。
人気割れのハンデ戦、大接戦。たたき3戦目になるシルクアーネスト(父グラスワンダー)から入りたい。オープンでの実績はないに等しいが、4歳春に1600万を勝った直後に格上がりで強気に挑戦した「安田記念」が1分33秒1。超高速馬場と初の58kgが応えて着順は悪かったが、勝ちタイムが1分32秒0だから、まったく歯が立たなかったという凡走ではなかった。これを含め1600mは通算[2-3-1-1]。
今季は、発表は良でも少しタイムのかかっていたNHKマイルC(1分34秒5)の当日、1600万条件を1分34秒9で競り勝ってオープンに復帰。前回のエプソムCは大外枠でうまく馬群をさばけず、直線は他馬の嫌ったインに入ってトーセンレーヴの5着だった。条件さえそろえばオープンでも通用するところを示している。
多少ともタイムがかかりそうな地元阪神の1600m。父は1999年の宝塚記念圧勝のグラスワンダー。母方は、祖母パイナップルスター(父ニホンピロウイナー)が、スピードを誇ったダンディコマンドの全姉。非力な一族ではなく、現在ではトランセンドがファミリーの代表馬である。ハンデは1kg減の55。自在型の同馬、流れに乗って中団追走が可能だろう。追い比べでひけをとる馬ではない。
強敵は、入念に乗って立て直してきた牝馬ショウリュウムーン(父キングカメハメハ)と、しばらく不振だが、今週のトゥザグローリー、マウントシャスタ(ともに宝塚記念出走)との併せ馬で、一度離されかけたが思い直すようにゴール寸前になって盛り返した動きが光ったゴールスキー(父ネオユニヴァース)の2頭。
松山騎手がすっかり手の内に入れたスマートギア。ベテラン=タガノエルシコ、ブレイブファイト。1600mに戻るヤマカツハクリュウ。ハンデ戦の大混戦と思えるから、少し手広く流したい。日曜の宝塚記念に向けて、芝コンディションのチェック、馬場イメージもふくらませておきたい。