タガノハピネスが6月3日、阪神の2歳新馬戦(芝1200m)を幸先よく勝ち上がった。父のタガノゲルニカは非サンデー系の新種牡馬の1頭である。
ブライアンズタイム産駒らしくダートで活躍したが、重賞勝ちはGIIIの平安Sだけ。このため配合牝馬に恵まれず、初年度の産駒はわずか3頭しかいない。だが、その中の1頭がこうして新馬戦を勝ち上がった。
今は血統レベルが接近し、GIII勝ち馬もGI勝ち馬も、可能性は紙一重となっている。サンデー系ばかりが脚光を浴びる昨今だが、非サンデー系の新種牡馬の中にも、まだまだ掘り出し物が潜んでいると思われる。
フレンチデピュティ産駒のアドマイヤジュピタ(天皇賞・春)は、初年度に94頭を集める人気ぶりだったが、受胎率が極端に低く、生まれたのは19頭だけ。この中から逸材が出る可能性はあるが、残念ながら1シーズン限りで引退が決まった。
クロフネ産駒のフサイチリシャール(朝日杯FS)は、母が名牝フサイチエアデール、母の父がサンデーという血統背景が魅力だ。クラシックは不振に終わったが、2歳戦の内容は素晴らしかった。73頭の配合牝馬を集め、49頭が生まれている。今年の新種牡馬ではダークホース的な存在かもしれない。
フサイチホウオーはGIを勝てなかったが、父がジャングルポケット、母の父がサンデーというのがやはり魅力。同じ血統構成の全妹にトールポピー(オークス)がいる。トニービンの後継種牡馬は意外性の宝庫で、1勝馬のミラクルアドマイヤがカンパニー(天皇賞・秋)を出す成功を見せた。この意外性に期待したい。
輸入種牡馬のジャイアントレッカーは、アメリカの芝GIIIを1勝したのみだが、父のジャイアンツコーズウェイはストームキャット系の欧州年度代表馬。種牡馬としても成功し、日本ではエイシンアポロン(マイルCS)が活躍している。
2歳戦、短中距離戦が主な活躍の舞台となるはずだ。自身は芝で活躍したが、血統背景からみて日本ではむしろダートのほうがいいかもしれない。配合牝馬に恵まれていないが、血統的なポテンシャルは高いとみる。
新種牡馬の紹介は今週で終了。来週からは通常のコラムに戻すことにする。