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松島特別

  • 2012年07月06日(金) 18時00分
 土曜日の福島競馬場の天候は、大雨はなさそうだが終日「傘マーク」がついている。最終週だけに、雨時々曇りの天候の馬場コンディションは読みにくい。先週の感じだと最後は外に出した方が良さそうに思えるが、最終週によくある、突然、内寄りの芝が走りやすくなったりする整備がないともいえない。

 そんなに馬場コンディションを気にするような組み合わせではない、と割り切るしかないが、夏の福島、新潟「3開催」を通じて、条件変更から間もないこの時期に、比較の難しい1000万特別がメインとして行われるのは今週だけなのである。波乱含み。

 人気の1頭、3歳ソルレヴァンテは春のポイントレースGII「弥生賞2000m」を小差の4着馬。今回が初の古馬相手とはいえ、ここは下から2番目の下級条件1000万下で、斤量は54kgである。同じ3歳プレミアムブルーもほぼ同様の評価だろう。前回の白百合Sでは先週のヤマニンファラオと0秒2差だった。

 しかし、マウントシャスタ(宝塚記念5着)はともかく、マウントシャスタ以外の白百合S組は案外だった。弥生賞組も、右回りでさえなかった6着フェノーメノは日本ダービーで大きく変わって2着したが、2分03秒9(ヤヤ重)の弥生賞組、1〜3着したコスモオオゾラ、トリップ、アーデントのその後は、どうもレベルが…もはっきりしている。

 4歳馬コウヨウレジェンド(父ロイヤルタッチ、母の父ミナガワマンナ)に期待したい。500万を勝ったばかりだが、前回がそれまでとは一変の好内容。これで福島[1-1-0-0]となった。今回騎乗する柴田善臣騎手とのコンビで08年のクイーンSなどを制したアサヒライジングの全弟らしく、先行力を備えて急激に良化している。平坦に近い福島コース得意はファミリーの最大特質で、皐月賞ワイルドモアが代表するこの一族、ちょっと前まで「ヒンドスタン…シンザン…ミナガワマンナ」の父子3代しか交配しなかったといっても言いすぎではない。

 シンザン系の平坦適性は知られるところで、ミナガワマンナはラジオたんぱ賞(旧)で頭角を現した勢いと成長力で菊花賞まで勝ってしまった。その血がずっとこの一族のベースになっている。クイーンSをしのぎ切ったアサヒライジングも平坦の札幌だった。

 レベルに疑問はあるが、上昇の魅力は当然、前出の3歳馬2頭。これは軽視できないが、人気と現在の能力が一致しない組み合わせの典型レースとみて、エクセリオン、メイショウサミット、トーセンペトリュス、スーパーオービットまで流したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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