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TVQ杯

  • 2012年08月17日(金) 18時00分
 新潟のメイン「BSN賞」は、わずか8頭立て。なおかつ人気が片寄る組み合わせになってしまったから、妙味なし。同じダートの小倉のメインに挑戦。

 ダート1700mは、不思議な距離。中京で消滅し、新潟、中山では行われていないに等しいから、ローカル扱いの「小倉、札幌、函館、福島」だけの限定距離。あまりピンとこない距離である。しかし、基本距離とされる1600mのダート戦があるのは、JRA10場のうち東京だけ。よって実際には、マイルにもっとも近いこの1700mがダート戦の基本距離ということになるだろう。アメリカのコース、距離体系と似ている。

 もっとも多くのJRAの競馬場で行われているダート戦は、レース数こそ少ないが、なんと6場で組まれている2400m。ダート1200mは半数の5場だけ。参考までに、JRA10場のどこの競馬場にもある距離は、芝、ダートを合わせ計30種類のうち、「芝の2000m」である。次いで芝1800mと、芝1200mが9場。芝のマイル戦があるのは中京が加わってようやく6場となった

 小倉ダート1700mの最大特徴のひとつは、雨で砂が締まると(路盤も関係するだろうが)、猛烈に時計が速くなり、下級条件でもレコードに近い1分42秒台前半が記録されること。乾いた良馬場と4〜5秒差も珍しくない。時計の修正が絶えず必要になる。

 人気の3歳馬ダイヴァーダウン(父ブラックタキシード)の上昇度に期待する。前走の小倉ダート1700mはゆるみない流れにうまく乗って1分44秒2。わかりやすい1600mに換算すると、およそ1分38秒0となる。たいしたことのない平凡な時計に映るが、コーナー4回の小回りコースの平均ペースなら上々。上がりは速く37秒2。ダイヴァーダウンは距離1700mも小倉コースも初めてだった。最後まで12秒台のラップを連続させて脚いろは楽。時計、着差以上の完勝だった。

 強気になれるのは、その翌日、1600万条件のKBC杯があり、こちらは前半1000mが1秒以上も遅かったこともあるが、直線追い比べの大激戦の勝ちタイムが1分44秒1だったこと。勝ったグラッツィア以下、キラウエア、バトードールなど、直前の他場のダート1800mを1分51秒台、1分52秒台前半で1600万好走組が占めたから、決してレベルが低いわけではない。初コースで1600万組と同じような時計で乗り切った3歳ダイヴァーダウンの上昇は手ごたえありなのである。

 母の父ティンバーカントリー、その前がノーザンテースト、ダイアトム…。近親馬にディヴァインライト、クラフトマンシップ、などが代表するナイトライトから広がる一族。夏のローカルコースにとくに強いファミリーの出身である。

 ハンデ戦なので相手には伏兵狙い。連闘で2着が2回もあるタフな5歳馬トップオブカハラ(父カリズマティック)、同じく3kg減のツリーズオブホープ(父マイネルセレクト)が本線。以下、ツルマルスピリット、ビタースウィート、エターナルロブロイなどの人気薄に流したい。オッズをみてだが、人気のポップアイコンは押さえておく。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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