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傾向で買う新潟2歳S

  • 2012年08月21日(火) 12時00分
 新潟2歳Sを含め、2歳重賞というのはキャリアの浅いどうしの馬が戦うため、予想する側としては手がかりが少ないということになる。

 そのため、「あの新馬はレベルが高かった」というような印象論で予想をすることになりがちだが、レベルが高いと評判になったレース、時計の速かったレースから来る馬というのは人気になりがちなので、あまり妙味がない。それよりは、過去の傾向に合致する度合いの高い馬を人気薄でも買ってみる、というやり方のほうがよいのではないだろうか。

 新潟2歳Sの場合、ひとつは前走距離が重要だ。勝率と単回収率では前走1400m組が、連対率・複勝率・複回収率では1600mがトップになり、これ以外の1200m組や1800m組はどの指標をとっても大きく引き離されている。1200m組と1800m組で馬券に絡んだのは、両方合わせて過去10年で5頭。2年に1回1頭割り込んでくるくらいの話だからハナから捨ててしまう手もあるし、少なくとも軸にはできない。

 もうひとつ重要なのはレース間隔だ。同じく過去10年で見ると、中1週組(今年は1頭しか登録馬がいないが)がかなり苦戦し、残りの馬たちの中でもレース間隔が開いているほうが勝率・連対率・複勝率で上回るという傾向が出ている。こちらは中2週組や中3週組を切るというほどの話ではないが、「迷ったらレース間隔の開いているほう」くらいの意識は持っておいていいだろう。

 最後に、キャリア1戦組(新馬勝ち直後にここ)と2戦組では、後者のほうが勝率・連対率・複勝率のいずれでも上位であり、複勝回収率でも71%と103%で後者が上回っている(単回収率はキャリア1戦組のほうが高い)。もちろん2戦組の主力は新馬勝ち→オープン特別出走という馬たち。これがキャリア3戦以上になるとバタっと成績が下がるが、2戦の経験を積んだ馬は重視したい。


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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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