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新指数に見る新潟2歳Sの結末

  • 2012年08月29日(水) 18時00分
 今、秋に出版される血統辞典の指数を作っているところなのだが、その中に今回初登場の「衝撃指数」というのがある。

 これは短縮などの「ショックを受けた後のレースはどうなったのか?」という、衝撃を受けた後の走りを指数化したものである。つまり、衝撃に対して強いか、弱いかを計る数字だ。これまで、短縮ショックの成功率など、ショックの効き具合を表す指標はいくつか発表してきたが、今回はその後のケアをしていこうという作戦である。

 具体的には「短縮ショックで激走した後」や「休み明けで激走した後」のレースでの走りを調べて数値化している。今まで発表してきた他の指数同様、この指数も50が平均で、それを上回ると衝撃に強く、下回ると衝撃に対する耐久力が低いことになる。

 この指数が低い種牡馬にハーツクライがいる。指数は37と、かなり低い数字だ。ハーツクライと言えば、先週の新潟2歳Sにメイショウオオゼキ、カラフルブロッサムと1、2番人気を出走させていたが、ともに4、5着と馬券にからまない結果に終わった。

 新馬戦を強い内容で勝ち上がって間がないと、反動が出るケースがある。それに該当する可能性がそこそこ高かったのが、このハーツクライ2騎だったというわけだ。

 私がこのレースで本命にしたのは、ホワイトマズル産駒のザラストロ。同馬は新馬を勝てずに未勝利勝ちだったが、3着→1着と集中して勝ち上がっているMでは評価の高いリズムパターンになる。

 ちなみにホワイトマズル産駒の衝撃指数は58と高いが、このレースではそれほど意味のある数字ではない。というのも、未勝利勝ちなので、新馬勝ちのような反動の懸念もないし、デビュー2戦目と使い込んでいないので、未勝利勝ちにありがちな疲労の懸念もない。

 M的にはホワイトマズル産駒は、いつも解説しているように精神コントロールが難しいのだが、強い相手に怯まないことを特徴としている。つまり精神のコントロールさえつけば、未勝利からのステップはむしろプラスになるのだ。

 今回、松岡騎手が思いきって15番手という、かなり後方から競馬をした。これでホワイトマズル産駒の精神を上手くコントロールしたため、闘う意欲の強さを出して1着となったのである。

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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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