ローズSは断然の一番人気に推されたジェンティルドンナが好位から抜け出して圧勝。馬体は春よりもさらにボリューム感が出て成長がうかがえましたし、この馬の特徴である筋肉の柔らかさと量も健在。ただ、仕上げが今回はまだ甘かったですし、いかにも本番を見据えているという感じでしたが、それでも圧勝。本番ではさらなる良化が見込めます。好位からでも競馬ができ、馬群を割る瞬発力もあるので、多頭数のごちゃつく競馬でも対応可能。正に死角という死角が無くなってしまいました。三冠だけではなく、古馬や牡馬との対決にも対応できる仕様になっていますし、今後が非常に楽しみです。

　2着のヴィルシーナは春に比べると馬体に厚みが出ていましたが、相変わらず筋肉の質が硬いのは気掛かりなところ。この馬自体も性能はかなり高いですが、やはりジェンティルドンナと比べるとその辺りで見劣りするところです。ただ、他との比較上では上位です。

　3着のラスヴェンチュラスは骨が細めで素軽さを感じる馬体。軽い切れが身上という感じです。今回の馬場は力が要る馬場でしたし、京都などの軽い馬場の方が合っています。ベストは京都の外回りか府中。

　4着のキャトルフィーユは腰の甘さが目立ちました。それでも良く踏ん張りましたし、これを使って筋肉に張りが出てくればもっとやれます。

　5着のトーセンベニザクラは完全にもったいない競馬になりました。後方で脚を溜め、直線に向いていざという時に致命的な不利。速い上がりの競馬だっただけにあれは痛かったです。武豊騎手のコメントでもどこかが開けば2着はあったとあるように、非常にもったいないことをしました。馬体はトモがしっかりして良くなっていましたし、少し力が要る馬場のマイルくらいなら一線級が相手でも戦えそうです。

　日曜の新馬戦はダンツクロノスが優勝。斜尻の多いタニノギムレット産駒にしてはトモの肉付き良く、腰高気味の体型。筋肉量も多く、今の馬場にマッチしていた感じです。あまり大物感は感じませんでしたが、堅実に走れるタイプだと思います。

　素材では2着のカレンバッドボーイが良く見えました。まだ筋肉が全然ついていませんでしたが、形は良かったですし、将来的には走ってくるのではないかと思います。3着のディレットリーチェも良い馬で、マイル前後の距離ならすぐに勝ち上がれそうです。

【次走の注目馬】
・トーセンベニザクラ
マイル前後の距離で少し力の要る馬場状態なら買い。

・シャイニーブレーヴ
馬体は良くなっていたが、休み明けの分息切れ。次は良くなるし買い。

・アドマイヤバートン
手先が軽いので今の阪神の芝はあまり合っていない。馬場の軽い京都で。

・ターフェル
まだ太目の造りも、筋肉の張りは良くなっていた。絞れればさらにやれる。