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ながつきS

  • 2012年09月21日(金) 18時00分
 春シーズンのこのクラスにはベテラン7歳馬、6歳馬が山のようにいたが、2歳戦が増えると同時にしだいに世代交代が進み、ベテラングループは数が少なくなった。ここには7歳以上馬はいない。

 4歳、5歳の若いグループが中心となり、レースの傾向にもあるパターンが生まれる。あくまで総じてだが、ベテラン組が連対したり3着に入ると高配当をもたらし、勢いのある3〜5歳馬が馬券圏内を占めると、当然、最近の成績がいいから、比較的おだやかにおさまる傾向があるのである。

 若いグループから狙い馬を探すなら、たちまちオープンにも出世しそうな成長株が狙い。ベテラングループだと、故障が多く年齢のわりに底がわれていない馬、断然のコース巧者。あるいは展開注目馬となる。

 4歳セイカフォルテ(父タイムパラドックス)から入りたい。春までは500万条件にいたが、この半年ばかりの間に3勝し、オープン突入も見えてきた。帝王賞、JBCクラシック2連勝などGI格5勝を含み、50戦[16-7-8-19]の星を残した父タイムパラドックスが、オープンに出世したのは5歳時。セイカフォルテはタフでやや晩成タイプだった父と同じように、4歳後半になってメキメキ力をつけてきた。

 前回の新潟ダート1800m1分52秒5は、全体時計とするとさして速くもないが、平均ペースの好位から、11.9-12.2秒が記録された直線で後続を7馬身も引き離してみせた。独走だから、まだまだ余力ありの素晴らしい内容だった。

 父タイムパラドックス(その父ブライアンズタイム)は、ディープインパクトと同様に母の父にアルザオ(その父リファール)を持ち、有馬記念、天皇賞・春)を制したサクラローレルといとこの間柄。サクラローレルもそうだが、タイムパラドックスはダート巧者の父としてこれから評価を高めるだろう。

 また、セイカフォルテの母サンデーズシス(父ヘイロー)は、サンデーサイレンスの全妹である。ただのダート巧者にはとどまらない奥行きを考えてもいい。

 サンデーズシスの産駒で、セイカフォルテの半姉になるのがセイカアプ(父ウォーニング)という牝馬。今回、同じ「ながつきS」に出てきたテープカットの母である。テープカットからみると、母の弟(叔父)になるセイカフォルテと対対決となった。そのテープカットは立て直して、日曜のオールカマーに出るコスモラピュタを手玉にとる動きをみせている。相手本線とまではいかないが、ぜひ、セイカフォルテの相手に入れたい。

 目下2連勝の上がり馬ディーエスコンドルと、追い込み馬だが明らかに中山コース向きのヒラボクビジン(3走前に小差4着がある)が本線。そしてテープカット、人気のドレミファドン、プレファシオ。大穴には初ダートだが、案外、合っていそうなアロマカフェ(マイシーズン、ブロケードの一族)を連に加えたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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