春シーズンのこのクラスにはベテラン7歳馬、6歳馬が山のようにいたが、2歳戦が増えると同時にしだいに世代交代が進み、ベテラングループは数が少なくなった。ここには7歳以上馬はいない。
4歳、5歳の若いグループが中心となり、レースの傾向にもあるパターンが生まれる。あくまで総じてだが、ベテラン組が連対したり3着に入ると高配当をもたらし、勢いのある3〜5歳馬が馬券圏内を占めると、当然、最近の成績がいいから、比較的おだやかにおさまる傾向があるのである。
若いグループから狙い馬を探すなら、たちまちオープンにも出世しそうな成長株が狙い。ベテラングループだと、故障が多く年齢のわりに底がわれていない馬、断然のコース巧者。あるいは展開注目馬となる。
4歳セイカフォルテ(父タイムパラドックス)から入りたい。春までは500万条件にいたが、この半年ばかりの間に3勝し、オープン突入も見えてきた。帝王賞、JBCクラシック2連勝などGI格5勝を含み、50戦[16-7-8-19]の星を残した父タイムパラドックスが、オープンに出世したのは5歳時。セイカフォルテはタフでやや晩成タイプだった父と同じように、4歳後半になってメキメキ力をつけてきた。
前回の新潟ダート1800m1分52秒5は、全体時計とするとさして速くもないが、平均ペースの好位から、11.9-12.2秒が記録された直線で後続を7馬身も引き離してみせた。独走だから、まだまだ余力ありの素晴らしい内容だった。
父タイムパラドックス(その父ブライアンズタイム)は、ディープインパクトと同様に母の父にアルザオ(その父リファール)を持ち、有馬記念、天皇賞・春)を制したサクラローレルといとこの間柄。サクラローレルもそうだが、タイムパラドックスはダート巧者の父としてこれから評価を高めるだろう。
また、セイカフォルテの母サンデーズシス(父ヘイロー)は、サンデーサイレンスの全妹である。ただのダート巧者にはとどまらない奥行きを考えてもいい。
サンデーズシスの産駒で、セイカフォルテの半姉になるのがセイカアプ(父ウォーニング)という牝馬。今回、同じ「ながつきS」に出てきたテープカットの母である。テープカットからみると、母の弟(叔父)になるセイカフォルテと対対決となった。そのテープカットは立て直して、日曜のオールカマーに出るコスモラピュタを手玉にとる動きをみせている。相手本線とまではいかないが、ぜひ、セイカフォルテの相手に入れたい。
目下2連勝の上がり馬ディーエスコンドルと、追い込み馬だが明らかに中山コース向きのヒラボクビジン(3走前に小差4着がある)が本線。そしてテープカット、人気のドレミファドン、プレファシオ。大穴には初ダートだが、案外、合っていそうなアロマカフェ(マイシーズン、ブロケードの一族)を連に加えたい。