秋華賞はジェンティルドンナがヴィルシーナをハナ差退けて優勝。チェリーメドゥーサの捲りでレースの流れががらりと変わりましたが、それを除けば内枠有利の競馬。それを外枠で終始外を回っての差し切りですから、力は相当違います。馬体も前走と違って、柔らかさを保ちながらもきっちりと引き締まっていました。前走のローズS時も書きましたが、牡馬とも戦える仕様になってきましたし、ブエナビスタ以来、古馬・牡馬と混じっても通用する牝馬が出てきた感じです。今年の年末、来年が楽しみな器です。
ヴィルシーナは前走よりも筋肉に張りを加え、返し馬の動きも鋭くなっていました。内枠の利をフルに生かした競馬で、あと一歩のところまでジェンティルドンナを追い詰めましたが、ハナ差及びませんでした。ジェンティルドンナとは能力差を感じますが、牝馬同士ならトップレベルであることは間違いないでしょう。
3着のアロマティコは出遅れと展開を懸念して印を回し切れませんでしたが、馬体は1〜2を争うくらい良く見せました。牝馬では薄めの馬が多いキングカメハメハ産駒ですが、ボリュームたっぷりに柔らかい筋肉を豊富につけてます。このメンバーでもやれるめどは立ちましたし、スケール感もある馬。ヴィルシーナと共に牝馬戦線を盛り上げていく1頭だと思います。
4着のブリッジクライムは栗東滞在で体が良くなっていました。走りも軽いですし、やはり力があります。飛びが大きくてゆったりしているので、距離はもっとあってもいいくらいでしょう。
6着のアイムユアーズは春よりもボリュームアップした体を見せていましたが、ピッチ走法の馬ですし2000mは少し長いかも知れません。マイルくらいがベストでしょう。今回は外枠の不利もありましたし、力は確実にある馬。マイル路線なら牡馬が相手でも上位争いできそうです。
7着のサンシャインは休み明けでしたが良く仕上がっていました。フットワークもいい馬ですし、牝馬同士のGIIIくらいならチャンスはあります。8着のキャトルフィーユはもう少しトモが付いてくればもっと良くなりそうです。
9着のトーセンベニザクラは前走も良かったですが、さらに良くなっていました。ただ、やはり2000mは少し長かった感じです。マイルくらいなら同世代の牝馬ではトップクラスの力は持っていると思います。
10着のラスヴェンチュラスはトモがパンとして良くなっていました。軽い馬場も合いますし、もっとやれるかと思いましたが、途中で前をカットされる不利があったようです。京都の外回りや東京競馬場なら巻き返してくると思います。
ハワイアンウインドは上体がしっかりしているのに手先が軽くて、素材的にはかなりのものを持っています。もう少しトモに筋肉が付いてくれば完成するでしょう。今回は下手に乗ったところもあると思います。ハナズゴールは本来のデキになかったです。立て直してほしいところです。
【次走の注目馬】
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アイムユアーズ古馬との対戦でもマイルなら通用。
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トーセンベニザクラマイル路線で見直し。
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ラスヴェンチュラス京都外回りか府中で巻き返し。
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タイガースラム今回は大幅に余裕残し。絞れればさらにやれる。