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スワンS

  • 2012年10月26日(金) 18時00分
 2011年までとコースも距離も同じだが、今年からベースになる「斤量」が変更されている。昨年までは、「3歳55キロ、4歳以上57キロ。牝馬2キロ減」が基本斤量。そこにGI、GII勝ち馬の斤量増などが加わる負坦重量だったが、今年から、基本ベースは「3歳54キロ、4歳以上56キロ。牝馬2キロ減」。付随する斤量増は同じ。そう変更されている。

 オープン馬の負坦重量「1キロ」など小さな要素には違いないが、ライバルとの「差」という意味では、決して軽視できない。たとえば、グランプリ・有馬記念。かつての馬齢重量戦から現在の定量戦に変わり、4歳馬と同じ57キロを背負うようになった「5歳以上馬(56キロの時代が長かった)」は、とたんに勝てなくなってしまっている。

 また、昨年までなら58キロだったグランプリボスは、NHKマイルCは1年以上も前のことだから、どのみちプラス2キロではないけれど、今年だから1キロ増の57キロ止まりである。エイシンアポロンは59キロのはずが、58キロで出走できる。

 では、実績で上回るGI勝ち馬が有利かというと、切れ味を生かしたい3歳牡馬レオアクティブ、オリービンの54キロは、もし快走に結びつくなら「条件好転だった」ことになること必至。4歳牝馬の上がり馬アドマイヤセプターも、昨年までの55キロではなく、相手との斤量比較うんぬんは別に、軽い斤量54キロだから通用しそうなのである。

 絶好調と思える3歳レオアクティブ(父アドマイヤムーン)が◎。相手との斤量関係は別に有利になったわけではないが、男馬にしては線の細い体つきで、持ち味は「切れ」。

 前回の京成杯AHは、猛ペースの流れ、絶好の芝コンディション、最内枠の恩恵もあったが、マイル1分30秒7の大レコード。ほぼ先頭に並びかけたと見えた1400m通過地点は1分18秒9。これは隠れた1400mの最高記録である。

 これまで関西への遠征では結果一歩だが、3月のファルコンS1200mは、重馬場で57キロ。4月のマーガレットS1400mも、渋った馬場で57キロだった。

 しかし、相手は格段に強化するとはいえ、今度は直線平坦の京都コース。それで、前回と同じ54キロの軽量で出走できるのは、パワー型ではないだけに大きな利点だろう。この距離だけに、また京都だけにそう注文をつけて下げる形になるとは思えない。この馬、[2-3-0-1]の成績どおり1400mこそベストである。

 定量58キロのGI安田記念を1分31秒3で微差2着のグランプリボス(父サクラバクシンオー)にとっては、この相手で別定57キロはきわめて有利。攻め馬も動いた。評価はとても下げられない。この京都1400に1分20秒0(3走前)をもつエーシンホワイティ(父サクラバクシンオー)が大きく変わったと見えたので、これが逆転もある3番手。

 以下、上がり馬アドマイヤセプター、1400mならのサンカルロ、上昇一途のカネトシディオス、テイエムオオタカを連の相手に加えた。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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