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京阪杯

  • 2012年11月23日(金) 18時00分
 2006年から距離1200mとなって過去6回。はっきりしているのは、ずっと高速の芝が連続してきた秋の京都だが、今週が最終週。まして今年は前2週が雨の中で行われたから、少し芝が荒れはじめている。過去6回の最高タイムは2009年の1分07秒6。平均勝ちタイムはジャスト「1分08秒0」。ふつうのオープン馬ならどの馬でも走破可能な勝ちタイムに変化している。

 また、この時期の古馬のレースはほとんどがそうだが、世代交代が進み、このレースは1800m当時から「3歳馬」の出世レースだった。取捨選択に迷ったら、どちらかといえば3歳馬や、まだ若い4歳馬に傾斜したほうがいいかもしれない。もっとも、これは当たり前すぎるアプローチで、この6年間に馬券に関係した6歳馬「3頭」は、7,16,5番人気だった。伏兵は、少しタイムがかかってきたからこそ浮上のチャンスを得た5〜6歳馬でもある。ごく順当という結果は1度もない。

 勢いに乗る3歳サドンストーム(父ストーミングホーム)から入りたい。

 ここ2戦はオープンの京都1200m。前々回の1分08秒2(上がり33秒2)の4着は、今回も対戦するテイエムオオタカ(父ホワイトマズル)と0秒1差。前回は1分07秒9(上がり33秒1)で差しきり勝ち。確実に安定した力をつけている。

 前回と同じ55キロ。栗東坂路の追い切りは、前回の「52.1〜38.2〜12.8秒」よりタイムが遅い「54.1〜39.3〜13.1秒」だが、今週の坂路は先週に比べて800mで2秒前後はかかっていたから、実際の中身はほぼ同じ。というより、ゴール前のストライドは前回よりずっと力強さにあふれていたように映った。

 タフなスピード能力を伝えるマキャヴェリアン系の父に、母方の父はいまでは万能タイプになりつつあるダンチヒ系のグリーンデザート。イメージからしてちょっと時計のかかるレース向きの短距離タイプだが、実際、1分08秒前後のレースになって成績をあげてきたから血筋どおりである。大接戦で人気は割れる。18頭立てだから手を広げてもいい。

 目下絶好調と思える5歳エーシンホワイティ(父サクラバクシンオー)は、1200mで5勝もしているが持ちタイムはない。前々回、1分08秒1(上がり33秒1)で勝ち負けのクビ差2着だったから、現在のような少しタイムがかかる芝でこそだろう。スタートは悪いが、前々回の同じオパールSを1分08秒2(上がり32秒8)で突っ込んでいるムラなマコトナワラタケ(父ファルブラヴ)の2頭が本線。

 以下、ようやく本格化気配のアドマイヤセプター(母アドマイヤグルーヴ)、好調がつづくテイエムオオタカ、一部ではここが引退レースではないかともされるエーシンヴァーゴウ(好調教)、未知の3歳馬オリービンに流したい。

 実力馬パドトロワはピークの季節をすぎての58キロ、路線を変えたハナズゴールは、いきなりの1200mを後方から行って1分08秒前後は苦しいとみて評価を下げた。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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