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朝日チャレンジC

  • 2012年12月07日(金) 18時00分
 昨年までは9月の阪神2000m、別定戦。上がりの速い高速レースとして行われていたが、今年からは12月の阪神1800mとなった。先年までの鳴尾記念に取って代わる位置に入ったGIII重賞である。

 近年の鳴尾記念といえば、2011年が「3歳-3歳-3歳」馬の決着。ルーラーシップの勝った2010年も「3歳-3歳-3歳」馬の上位独占だった。世代交代の流れに乗って、明らかに3歳馬、あるいは4歳馬の快走が目立つレースだったが、新しい朝日チャレンジCはハンデ戦に変更されてこの位置に入ってきた。

 ハンデ戦なら、比較的軽いハンデになることの多い3歳馬、あるいはまだ若手に属し上昇中の4歳馬がさらに有利(魅力的)になる可能性が高いが、生まれ変わったはずのこのレース、若い3〜4歳馬は内枠から順に、3歳サンレイレーザー、4歳フレールジャック、4歳サトノパンサー、3歳ヒストリカル。たった4頭しかいない。

 鳴尾記念のあった位置だから、レース名こそ変わっても3〜4歳馬はいやでも売れる。ヒストリカル、フレールジャック、サンレイレーザーあたりは、もちろん有力馬には違いないが、旧鳴尾記念の位置が強調されることにより、思われていたよりはるかに人気になりすぎ…、のきらいがなくもない。

 10月28日のカシオペアS(1800m)を1着のあとも、引き続き好気配キープの5歳リルダヴァル(父アグネスタキオン)から入りたい。いつも人気になりながらずっと勝ち切れないスランプ時が約2年近くつづいたが、今春の1600万条件を独走して勝ちみの遅さを解消すると、前回のカシオペアSは時計、着差以上の完勝。うまく流れに乗って抜け出しただけではない安定感があった。コースは変わるが斤量は1キロ増だけ。

 当時、下した3歳ヒストリカルは2キロ増だから、ハンデ戦になって不利が生じたわけではない。強力な先行タイプがいないのは最近の中距離重賞のパターンどおり。前回と同様に好位のインで流れに乗れそうである。全5勝中の3勝を記録する1800mはベスト。

 ヒストリカル、フレールジャックの評価は下げるわけにはいかないが、互角の評価をしたいのが人気薄の7歳馬タガノエルシコ(父マヤノトップガン)。デキはずっといい。距離もコースもベストの阪神1800mで、1キロ減の今回は幸騎手(初騎乗)に手代わりしてきた。一連のレース内容から、置かれすぎなければそう差はないはずである。

 5歳シルクアーネスト(父グラスワンダー)は、2走前のカシオペアSでリルダヴァルから0秒2差の3着。4着ヒストリカルには先着している。今回は当時より1キロ減。ヒストリカルは2キロ増。人気の圏外だが、テン乗りの太宰騎手、強気に攻めて乗りたい。

 状態の良さが光るネオヴァンドームと、4歳サトノパンサーを連の押さえに加える。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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