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朝日杯FS、距離短縮での初距離は

  • 2012年12月11日(火) 12時00分
 今週の朝日杯FSに、有力馬の1頭としてコディーノが出走する。

 コディーノはデビューから1800m戦を3回使われ、マイル以下の距離に出走したことはない。そこで気になるのが、そういう馬は過去にどれくらいいて、どんな成績を残してきたかだ。

 JRA-VANデータが存在する1986年以降の過去26回を振り返ってみよう。出走のべ頭数は357頭。そのうち、芝ダートを問わず1600m以下のレースに出走した経験が無かった馬は13頭だ。

 その該当頭数の少なさにはちょっと驚いた。実はこの原稿を書きつつも、検索ミスをしているのではないかと恐れているくらいである。しかし、考えてみれば昔は1800m以上の新馬が少なかったし、1800m以上ばかりを使われてきた馬はラジオNIKKEI賞に向かうことが多いわけだから、こんなものといえばこんなものかもしれない。

 そして、この13頭の成績はというと[3-1-0-9]。バブルガムフェロー、フサイチリシャール、ローズキングダムが勝ち、タガノテイオーが2着。タガノテイオーも故障がなければもっと際どかっただろう。

 実はこの4頭はすべて1、2番人気だった馬で、他に1、2番人気だった馬はいない。着度数が[3-1-0-9]ということは、1、2番人気になった馬はすべて連対し、3番人気以下だった馬は1頭も馬券に絡んでいないということだ。

 3番人気は3頭いて、リフトザウイングスが5着、フライングアップルが4着、ユーワベティが9着。ユーワベティは昭和にさかのぼる馬だから横におくと、3番人気馬2頭も掲示板レベルはキープしているわけであり、上位人気に推されればそれなりの競馬はできると解釈できる。

 コディーノはもちろん人気になる馬。この初距離は不安というよりはむしろ強調材料となる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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