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「一人横綱」の有馬記念

  • 2012年12月18日(火) 12時00分
 netkeibaには注目レースにファンが予想を寄せ、その内容に伴って予想オッズが表示される機能があるが、この原稿を書くにあたって有馬記念の予想オッズを見てみたところ、1番人気はゴールドシップだった(12/18現在)。おそらく本番もそうなることだろう。

 当然の面はある。ゴールドシップは今回唯一となる、「今年のGIを1番人気で勝った馬」だ。ビートブラックの天皇賞・春は14番人気、エイシンフラッシュの天皇賞・秋は5番人気、国内GIではないがルーラーシップのクイーンエリザベス2世Cは2番人気タイ(票数では3番人気だった模様)だった。

 では、「当該年の平地GIを1番人気で優勝した馬」が少なかった有馬記念は過去にどれだけいたのだろうか?グレード制導入以降だと、該当馬なしという年が4回ある。1992年、1995年、1998年、2008年。

 今年と同じように1頭だけという年は11回。ということは、一人横綱的な立場で参戦した馬がのべ11頭ということである。その成績は、[4-4-0-3]。この時点で、単勝回収率が109%、複勝回収率が104%とプラス決算になっている。

 さらにこの中には、2002年のファインモーション、1987年のマックスビューティと牝馬限定GIを1番人気で勝っていた馬が入っている。牡馬の出られるGIを1番人気で勝ちながら、他に同種の馬がいない有馬記念で連対を外したのは1989年のオグリキャップ(5着)しかいない。

 こうして見るとゴールドシップはかなり有利な立場にあるようだが、果たしてこの流れを損なわずに好走することができるだろうか? 実は私個人は配当妙味から別な馬を◎にする予定なのだが、このデータを見て、ヒモにはしっかりゴールドシップを入れておかなければと思ったところである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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