秋のGIシリーズを締めくくる有馬記念はゴールドシップが優勝。パドックでは全体のボリューム感が増し、柔軟な筋肉を豊富にまとっていました。返し馬の動きもとにかく柔らかくて、まさに全身がバネという感じでした。レースは、先行馬と内枠が有利というその日の傾向ではまずこない、出遅れて後方から外を回しての完勝。実質的には5馬身以上の差があったと思います。来年は国内に専念するようですが、オルフェーヴルやジェンティルドンナとの戦いが非常に楽しみです。
オーシャンブルーは写真では凄いトモの盛り上がりに見えましたが、当日見ると思ったよりスッキリとしていました。ステイゴールド産駒なので、このぐらいのほうがいいのかも知れません。流れも向きましたし、この結果を鵜呑みにすることはできませんが、トップクラスの馬とも互角に渡り合えるところは証明できたと思います。
ルーラーシップは大変ボリューム感のある体でしたが、いい意味でも悪い意味でも緩さがある馬。ゲートの悪癖と相まって、またしても大出遅れ。まともに出ればいいのですが、回を追うごとに酷くなっている感じです。引退する可能性もあるようですが、サンデーサイレンスが入っていない血統だけに種牡馬としての価値はかなり高いと思います。
エイシンフラッシュはビッシリと仕上がっていましたし、力は出せたと思います。ただ、一瞬しか脚が無いだけに、抜け出すタイミングはちょっと早かったかも。天の利だけに仕方がないところはあると思います。
スカイディグニティは枠順の良さを生かせました。トモが非常に充実いしていましたし、来年の天皇賞が楽しみになる内容だったと思います。ダークシャドウは素晴らしいデキでしたが、結果的に距離は2000m位の方が合っているのかも。
ダイワファルコンは素晴らしいデキでしたし、イメージ通りの競馬をしてくれて、直線に向いた瞬間は勝つかと思いましたが伸び切れませんでした。結果的に距離が長かった感じです。力は通用するものを持っていると思いますし、来年のさらになる飛躍に期待です。
【ラジオNIKKEI杯2歳S】
優勝したエピファネイアは、今回は少し体の張りが乏しい感じでした。ただ、相変わらず後肢の踏み込みが深くて可動域が大きいですし、それを動かすだけの筋力も備わっています。もっと実が入ってくれば強くなりますが、それだけの成長をしていけるかがポイントでしょう。レースでは懸念していた折り合いもスムーズで、力の要るタフな馬場でも良く走っていたと思います。
キズナは結果的に少し太かったかも。前半でハミを噛んでしまった分もあって伸び切れませんでした。パワータイプで道悪は良いと思います。
【次走の注目馬】
・
オツウ 今回は揉まれるきつい競馬。現状体力が無いので馬場も合わなかった印象。パンパンの馬場で見直し。
・
ヴィクタシア 良馬場のほうが合っていそう。乾いた馬場なら勝ち負け。
・
タイムズアロー 長期休養明けもトモの良さが目立つ馬体。レース内容も良かったし上でも。
・
ローレルベロボーグ 好馬体。平たんコースならさらにやれる。
【お知らせ】
2012年度の更新は今回で終了となります。2013年度は1月8日から更新いたします。
新刊「馬券の教科書」
No.1予想のパドック予想でお馴染みの古澤秀和氏による新刊
「競馬で勝てる馬券の教科書」が、メタモル出版から発売されました。
「本書の血統や馬体に関する圧倒的な知識は、競馬関係者でも参考になる」と、矢作調教師も推薦する本書は、競馬場・血統・パドックの見方・新聞の見方・馬券の買い方などの詳細なデータを掲載し、詳しく解説。さらに、著者が最も得意とするパドック分野では、パドックで見るべきポイントと手順や、返し馬を見るポジションなどを惜しげもなく披露しています。
競馬で勝つための思考や知識が身につく「馬券の教科書」、GI戦線のお供にぜひどうぞ!