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本命色の強い京成杯

  • 2013年01月08日(火) 12時00分
 こういう言い方をすると失礼だが、京成杯というと、さほどメンバーレベルの高くない重賞というイメージがある。

 ちなみに、過去10年の出走馬にはエイシンフラッシュ、キングカメカメハ、リトルアマポーラ、ナカヤマフェスタ、スズカマンボなどがいるので決してレベルが低いわけではないのだが、3歳はじめのこの時点だけを切り取って見ると、地味に見えるということだろう。おそらく、2歳時に名を成してクラシックを狙う馬の多くが、朝日杯FSとラジオNIKKEI杯2歳Sを最後に休養に入っているためそう見えるのではないかと思われる。

 地味=どの馬にもチャンスがあると思われているためか、京成杯では一本かぶりの人気馬も発生しづらい。過去10年で、単勝オッズが2倍を切ったのは2006年のジャリスコライト(1.3倍・1着)だけ。2000mになってからの14回全体でも、他には02年のローマンエンパイア(1.9倍・1着同着)しかいない。

 しかし、一本かぶりの馬が少ないわりに、京成杯は1人気が強く、ヒモ荒れも比較的少ない。過去10年の1番人気馬は[4-2-2-2]で、単勝回収率103%・複勝回収率99%。全馬均等買い時の回収率は単34%・複67%でかなり本命色が強い。

 3歳重賞のうち、ラジオNIKKEI賞のように施行条件が大きく変わったものや過去10年の間に新設されたものを除くと全部で28のレースがあるが、均等買い時の単34%はそのうち24番目、複67%は19番目で、やはり堅い重賞ということになる。同じコースで行われ、かつては堅い重賞の代名詞的存在だった弥生賞(単43%・複70%)よりもいまや京成杯のほうが堅い。

 メンバーは、後の活躍ぶりも含めると決して地味ではないが、配当は地味めに収まることが多い。京成杯を予想するときにはまずそれを頭に置いておきたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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