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「サウンドオブハートを選ばなかった理由は?」中山金杯回顧

  • 2013年01月16日(水) 18時00分
担当編集(以下、編) 人気薄のトライアンフマーチを3番手に選んだ理由は?

今井(以下、今) 短縮で前走4角3番手。ほぼ短縮ショッカーだったからね。あと、短縮の場合は馬群を割れる確率が高くなるから、内枠もプラス。前走11着だからストレスがないのもいいよね。

 なるほど。そういえば、今井さん『競馬王』で「金杯は高齢馬が走る」という原稿書いてましたよね(笑)。

 うん。金杯に限らず、お正月は例年高齢馬が結構穴を開ける傾向があるんだよ。1月いっぱいは高齢馬に注意すると面白いかもよ。

 ふむふむ、覚えておこっと! そういえば、3着のヤマニンウイスカーも7歳馬でしたね。ダノンシャークを評価したのは?

 ディープインパクト産駒はレース間隔開いたとき走るし、上がりの速い競馬が得意だからね。今回は極端なハイペースまではいかなそうなメンバーだから、上がりの勝負になりやすい。問題は最内枠だったことだよ。スムーズに出られない確率があったからね。前が詰まるのを期待して対抗にしたけど、さすがルメール。スパッと抜けてきた。それに、前半が1秒近く遅い、16頭立てのマイルとしては相当のスローになっちゃったからね。こうなれば、ディープインパクト産駒が普通に勝っちゃう。

 ディープインパクト産駒の高速上がり指数は断トツですもんね〜。

 あと、他の有力馬がみんな駄目そうだったんで、他に買う馬がまったくいなかったっていうのもあるよ。前走太めのダローネガが絞れていればと期待したけど、また増えてきたから、結局ダノンシャークの単勝以外、買うものはほとんどなくて、単勝買うことになっちゃったし。

 ダノンシャークと人気を分け合ったサウンドオブハートはどうです? 私評価しちゃったんですけど?

 ええっ〜!「今回は期待値低い」って言ったはずだけど。

 たしかに「弱い相手に強いタイプで、前走疲れがなくて勝った後の疲れもあるから、今回は疲れがない状態で3〜4馬身離して勝てるだけの力がないと勝ち負け出来ないよ」っていう話はうかがいました。でも、他にいい馬もいなくて…。

 確かにね。まあ、スローで前残りのなか、1〜2番手で競馬すれば展開に恵まれて残れる可能性もあるにはあった。結局、4着というのは…まぁストレスのない状態なら勝ち負け出来る能力があることは証明できたんじゃないかな。この0.6秒差負けは、ちょうど事前に計算していたストレスのぶんの数字だったから。それだけストレスというのは大きな影響を及ぼすということだよ。そもそも、間隔を開けたほうが走るのがアグネスタキオン産駒の特徴だしね。

 トーセンレーヴは危ないと思いましたよ。外枠だったし、速い流れのほうがコントロールしやすいという話でしたから。

 結局、スローになっちゃったからね。先行馬でもスローがよくない馬はいくらでもいるんだよ。

 ペースと枠順が、どれだけ大切かが分かるレース結果でしたね。

 それにストレスを加えれば、走れる馬は自然と見えてくる。そのときのストレスレベルと枠順で、同じ馬でも好走するためのペースが変わってくるのには注意だよ。いつもは速い流れが合う馬でも、ストレスがあると緩い流れでごまかしたほうがいいとかね。

 中山金杯のアドマイヤタイシの上がりもそうですが、以前やった企画でも、今井さんが言った上がりや枠番に当日ピッタリになると激走する馬がいろいろいました。ああいうのを見ていると、競馬はすべてコントロールされてる気がしますよ。

 ペースと馬体重が事前に読めればいいんだけどね〜。それが分からなければ、今回どういう上がりや位置取りになれば、どの馬が何着になるか読めてても、何にもならない。フルゲートでもスローになるような時代では余計にね。まぁ、論理的に予想をして喜んでるうちは、いくらそれが完全に正しくても、限界があるってことだよ。

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※正誤表が競馬王ブログに掲載されています。

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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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