京都牝馬S回顧抜群の伸縮力を見せるハナズゴール
京都牝馬Sはハナズゴールが優勝。相変わらず見栄えのする馬体ではありませんが、この馬なりにふっくらとしていて、トモのボリューム感も増していました。こういった見栄えのしない馬については、一見でパドックで見極めるのはかなり難しい馬ですが、縦の比較で見ていけば好不調を判断することができます。
この馬の良さは体の伸縮力が強いところ。走らせると、見た目からは想像できないくらいストライドが伸びます。各関節が柔らかくて、筋肉の質が強いからこそ、このようなストライドを実現できるのでしょう。同じ牝馬で強かったブエナビスタもこんな感じでした。能力的には、マイルならブエナビスタにも匹敵するでしょう。ようやく順調に使えるようになってきましたし、今年の春はGI獲りを意識させます。非常に楽しみです。
2着のエーシンメンフィスは馬体重こそ変わりませんでしたが、前走時から比べると大幅に絞れていました。レースも前走の逃げから一転、最後方からの競馬になりましたが、2着まで良く追い込みました。この形でも崩れなかったのは収穫で、これなら次走以降も堅実に走れそうです。
3着のベストクルーズは、前走とは雲泥と言っても良いくらい良くなっていました。歩様がキビキビしていましたし、筋肉も柔軟で張りが良くなっていました。本来は器用さを生かすレースが合っているので、前々走のように内伸び馬場で内枠を引いたりすると、最も高いパフォーマンスを見せられると思います。
7着に敗れたアカンサスは、馬体自体悪くなかったと思いますし、距離もマイルがベストなだけに、これで伸び切れなかったのは、輸送かコース適性がなかったということかと思います。得意の関東圏での競馬で巻き返しを期待したいと思います。
あと、アンチュラスがかなり良くなっているように見えましたが、結果としてさっぱりでした。枠順も敗因の一つだと思うので、条件がフラットな時にはまた狙いたいと思います。
東海S回顧 勝ったグレープブランデーは馬体だけならGI級だなと思いながらパドックを見ていましたが、レースに行ってそのままの走りで圧勝。馬場も合っていたと思いますが、見えない部分で噛み合っていなかったところが解消されたということでしょう。馬体・レース内容共に文句のないものでしたし、これならGI戦線でも戦っていけるでしょう。
2着のナムラタイタンはそれなりに良くなっていたと思います。ゲートもちゃんと出ましたし、スランプのようなものからは抜けたでしょう。マイルがベストですが、この距離までは守備範囲です。
3着のホッコータルマエは良く見えましたが、良い時に比べるとトモの盛り上がりが足りなかった感じもあります。また、馬場ももう少し軽い方が合っているタイプです。立て直せばもっと良くなるでしょう。
7着に敗れたハートビートソングはまだトモが甘かったです。今回の馬場はトモの脚力が特に求められる馬場だったので、伸び切れませんでした。脚元に不安のある馬だけに、なかなか攻めることはできないかもしれませんが、この辺りがパンとしてきたらもっとやれるはずです。
【次走の注目馬】
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ルミアージュ姉エピセアロームに比べ、父がハーツクライの分、飛びが大きく、中距離向き。まだ緩かったので、叩いての上積みは大きい。
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サンライズメジャーようやく筋肉がしっかりついてきて良くなってきた。これなら上のクラスでもやれる。
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オウケンサクラ体は良いが、集中力が続かない感じ。1200mで狙ってみたい。
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アンチュラス体付きは良かった。距離はマイルも大丈夫だが、1400mの方が良さそう。
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