東京ダート1400mのこのGIIIは、2月17日のGI「フェブラリーS」の前哨戦にあたる。同じ東京コースで1ハロン異なるだけ。まして3週後。強く結びついていそうに思えるが、実はまったくそうではない。
根岸Sがこの時期に移ったのは2001年からのこと。これまで12回行われたから「根岸S→フェブラリーS」のローテーションを取った馬が63頭(うち1頭は取消で出走は62頭)もいる。
ところが、根岸Sをステップにして、フェブラリーSで連対できたのは62頭のうち、次の4頭だけ。
2001年…1着ノボトゥルー(根岸1着)
2005年…1着メイショウボーラー(根岸1着)
2012年…1着テスタマッタ(根岸3着)
2012年…2着シルクフォーチュン(根岸1着)
つまり、ここをひと叩きして体調を整え、大目標のフェブラリーSで「連対」したのは、3着→1着のテスタマッタだけであり、根岸SをステップにGIフェブラリーSで連対するような馬は、ステップの根岸Sでも3着以内に入っていた馬だけ(4頭)なのである。
いい方をかえると、ステップレースとはいいながら、ここでも勝ち負けするぐらいでないと、GIではムリを示している。
これを根岸Sの検討に役立てるとしたら、両レースはほとんど結び着かないにも等しいから、「距離1400mこそベスト」の馬を探すのが最大のテーマ。そして、ここで勝ち負けした馬は、独走した4歳メイショウボーラー型の強力な上昇馬か、58キロを背負って3着したテスタマッタや、1分22秒1のレコードで勝ったノボトゥルーのようなまだまだ地力強化中の5〜6歳のエース格に相当しないと、本番「フェブラリーS」では買えないことも意味している。
このあとフェブラリーSに行きそうなダノンカモン(昨年は1番人気の根岸Sも、本番も凡走)、同じく7歳テスタマッタ(昨年は58キロで小差3着だった)などのトップグループに対する見方は変わってくる。
距離1400mこそベスト!という点に注目して4歳ガンジス(父ネオユニヴァース)に期待したい。ダート1400mは[4-1-0-0]。パワーアップしつつ1分22秒5(重)で勝った前回より1キロ減の55キロ。再三乗り替わるが、今回はダートで大きく飛躍のきっかけとなった4走前と同じ内田騎手。
ネオユニヴァース産駒は、ヴィクトワールピサ、ロジユニヴァース、アンライバルドなど、好調時にはゴールの頑張りが凄い。父と同様、苦しくなってから真価を発揮する。
同様に、5歳秋からダートに集中するようになって以降、1400mダート[3-0-0-0]のエーシンウェズン。前々走は東京ダート1400mを1分22秒6で圧勝だった。
ベテラン組では、この距離でビュイック騎手ならという意味でダノンカモン。1600mもこなしてはいるが、ベストが1400mだろう。
伏兵は、7歳になって初めて差す形で好走してみせたケイアイテンジン。前回好走のわりに、昨年は黒船賞、さきたま杯などで負けているから人気になりそうもないトウショウカズン(昨年2着時は9番人気)。
押さえにストローハット、スティールパスとしたい。
京都のシルクロードSは、前回は出負けしたうえ、スローに近い流れで持ち味が生きなかったエーシンホワイティを買いたい。今週はもうインコース有利の芝ではない。