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共同通信杯は「馬体増&人気の馬」が優位

  • 2013年02月05日(火) 12時00分
 3歳春は若馬の成長期だが、そのイメージ通りの傾向が共同通信杯にはひとつ出ている。それは、馬体重増減別成績だ。

 過去10年の共同通信杯に出走した馬を馬体減、同体重、馬体増の3グループに分けると、

※左から着度数 、勝率、連対率
今回減:4-2-4-48/ 58、6.9%、10.3%
同体重:2-4-4-17/ 27、7.4%、22.2%
今回増:4-4-2- 24/ 34、11.8%、23.5%

 となっている。綺麗に「馬体増のほうがいい」という形になっているわけだ。

 ただ、馬体重が増えた馬をひたすら買えばいいというわけではない。勝率・連対率で優位にも関らず、このグループを全頭均等買いした場合の回収率は単38%・複39%しかない。

 勝率・連対率が高いのに回収率が低いというのは、要するに人気馬しか来ていないということだ。これについては思いっきりはっきりした結果が出ている。馬体増組を1〜3番人気と4番人気以下に分けると……。

1〜3番人気(4.4.2.5)
4番人気以下(0.0.0.19)

 馬体増&4番人気以下という馬はストローハットとマッハヴェロシティの4着が最高で、過去10年馬券に絡んでいない。人気になるだけの結果を残しつつ馬体が増えているという形が望ましい。1〜3番人気組の回収率は単複とも88%だからそれ自体をベタ買いできるものではないが、それでも馬体増組を峻別する上で分かりやすい基準になるだろう。

 ちなみに、馬体減・同体重・馬体増の3グループに分けた場合に馬体増組が勝率・連対率で最高になるというのは、1〜3月の牡馬重賞全体に対象を広げてもあてはまる(共同通信杯ほど差はつかないが)。この時期、数字に見える形で成長するというのはけっこう重要なことなのだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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