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みんなが悩む初ダート

  • 2013年02月12日(火) 12時00分
 今週のフェブラリーSにはカレンブラックヒルとガルボ、2頭の初ダート馬が出走する。過去の傾向として初ダートでのGIは分が悪いというのはあちこちで書かれているが、では未勝利からGIに至るまで、全クラスにおける「初ダート」はどうなのだろうか?

 今回対象とするのは3〜12歳の10世代で、今年2/3のレースまで。地方側のダートについては検索が困難なので、「中央のダートに初めて出たケース」を対象とするが、その前走が地方のダートだったというケースは除く。純然たる初ダート馬がほとんどになるが、ごく少数の「昔地方側のダートを走った→前走は芝→今回中央初ダート」という馬も混じってしまうのでその点はご了解いただきたい。数は僅かなので、結論に大きな影響は無いはずである。クラス別の初ダート馬成績は以下の通り。

※上段がクラス、着度数、下段が勝率、連対率、単回収率、複回収率
●未勝利 [998-862-811-12379/15050]
 6.6%、12.4%、78円、77円

●500万下 [137-113-101-2096/2447]
 5.6%、10.2%、64円、58円

●1000万下 [12-12-9-164/197]
 6.1%、12.2%、56円、66円

●1600万下 [4-3-1-106/114]
 3.5%、6.1%、3円、63円

●OP特別 [5-3-2-110/120]
 4.2%、6.7%、47円、36円

●GIII [2-1-2-33/38]
 5.3%、7.9%、37円、39円

●GII 出走馬なし

●GI [0-0-0-12/12]
 0.0%、0.0%、0円、0円

 初ダートで重賞を勝ったのはメイショウボーラーとヤマニンキングリー。2着はダイワバンディット、3着はアポロドルチェとゴールデンチケットだが、後者は地方のダートに出走歴があった(出走歴どころか重賞を勝っている)。

 こうして見ると未勝利〜1000万条件と1600万条件〜オープンで勝率・連対率に大きな隔たりがある印象だ。

 これが3〜7歳という若い方の5世代に限ると先述した初ダートの重賞優勝馬2頭が消えてしまい、オープン特別・重賞での初ダート馬成績は[0-0-1-46]。3着馬は先述したゴールデンチケットなので、純然たる初ダート馬は馬券に絡んでいないということになる。ちなみにこの中に、5番人気以内に推されていた馬はゴールデンチケットを含め11頭いた。

 対象馬の多くは芝で手詰まり感がでていた馬たちだが、それにしても40頭以上いたらもう1〜2頭は複穴くらい開けてきてもよいように思う。

 今回はダート馬側の陣容が手薄になっており、一方で初ダート勢は芝で一度しか負けていないGI馬のカレンブラックヒルと、前々走で別定GIIを2着しているガルボ。この状況で初ダート馬が跳ね返されるようだと、いよいよ「いまの競馬ではオープンレベルでの初ダート馬は苦しい」という結論が確定的になってくるだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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