今週のフェブラリーSにはカレンブラックヒルとガルボ、2頭の初ダート馬が出走する。過去の傾向として初ダートでのGIは分が悪いというのはあちこちで書かれているが、では未勝利からGIに至るまで、全クラスにおける「初ダート」はどうなのだろうか?
今回対象とするのは3〜12歳の10世代で、今年2/3のレースまで。地方側のダートについては検索が困難なので、「中央のダートに初めて出たケース」を対象とするが、その前走が地方のダートだったというケースは除く。純然たる初ダート馬がほとんどになるが、ごく少数の「昔地方側のダートを走った→前走は芝→今回中央初ダート」という馬も混じってしまうのでその点はご了解いただきたい。数は僅かなので、結論に大きな影響は無いはずである。クラス別の初ダート馬成績は以下の通り。
※上段がクラス、着度数、下段が勝率、連対率、単回収率、複回収率
●未勝利 [998-862-811-12379/15050]
6.6%、12.4%、78円、77円
●500万下 [137-113-101-2096/2447]
5.6%、10.2%、64円、58円
●1000万下 [12-12-9-164/197]
6.1%、12.2%、56円、66円
●1600万下 [4-3-1-106/114]
3.5%、6.1%、3円、63円
●OP特別 [5-3-2-110/120]
4.2%、6.7%、47円、36円
●GIII [2-1-2-33/38]
5.3%、7.9%、37円、39円
●GII 出走馬なし
●GI [0-0-0-12/12]
0.0%、0.0%、0円、0円
初ダートで重賞を勝ったのはメイショウボーラーとヤマニンキングリー。2着はダイワバンディット、3着はアポロドルチェとゴールデンチケットだが、後者は地方のダートに出走歴があった(出走歴どころか重賞を勝っている)。
こうして見ると未勝利〜1000万条件と1600万条件〜オープンで勝率・連対率に大きな隔たりがある印象だ。
これが3〜7歳という若い方の5世代に限ると先述した初ダートの重賞優勝馬2頭が消えてしまい、オープン特別・重賞での初ダート馬成績は[0-0-1-46]。3着馬は先述したゴールデンチケットなので、純然たる初ダート馬は馬券に絡んでいないということになる。ちなみにこの中に、5番人気以内に推されていた馬はゴールデンチケットを含め11頭いた。
対象馬の多くは芝で手詰まり感がでていた馬たちだが、それにしても40頭以上いたらもう1〜2頭は複穴くらい開けてきてもよいように思う。
今回はダート馬側の陣容が手薄になっており、一方で初ダート勢は芝で一度しか負けていないGI馬のカレンブラックヒルと、前々走で別定GIIを2着しているガルボ。この状況で初ダート馬が跳ね返されるようだと、いよいよ「いまの競馬ではオープンレベルでの初ダート馬は苦しい」という結論が確定的になってくるだろう。