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ダイヤモンドS

  • 2013年02月15日(金) 18時00分
 平地の東京のレースではもっとも長い3400m。上下差が8.5キロのハンデ戦。昨2012年、「3分36秒8」という3400mになって以降もっとも遅い時計で勝ったケイアイドウソジンがいる。まあまあ標準と思える「3分32秒6」で勝った2010年の勝ち馬フォゲッタブルもいる。2009年、「3分29秒4」の快レコードで勝ったモンテクリスエスもいて、同馬はこのレース4回目の出走になる。でも、みんなほとんど無印の人気薄。

 しかし、新しく台頭してきたステイヤーらしき人気上位馬の内、何頭かは最近1600万条件をやっとのことで(0秒0差)勝った馬である。配当はともかく、納得、順当というような結果は用意されていないだろう。波乱の可能性大と思える。

 長期休養で立て直した3歳秋以降、[4-3-5-0]。スカッとしたレースをするようになったわけでもないが、ジワジワ伸びるレースぶりから長距離歓迎と思える5歳アドマイヤラクティから流したい。

 有馬記念を制し、日本ダービー、ジャパンC2着の父ハーツクライ(その父サンデーサイレンス)は、いまの時代だから典型的なステイヤータイプなどということはないが、距離延長を味方に台頭する産駒を多く送るのは事実。ここには5歳サクセスパシュートも出走してきた。

 アドマイヤラクティは2400mまでの経験しかないが、長丁場ならもっと渋いレースを展開してくれる可能性がある。母の父は、O.ペリエ騎手が乗って1996年の凱旋門賞を独走したエリシオ(その父フェアリーキング)。ポップロックの父として知られるエリシオは、あまり多くの活躍馬を送ることなくヨーロッパに帰ったが、このレースには、コスモヘレノス、ファタモルガーナ、そしてアドマイヤラクティ。母の父にエリシオの名が出てくる馬が3頭もいる。ブルードメアサイアーに「種牡馬エリシオ」をもつ馬が3頭もいるレースなどそうそうあるわけもない。それだけスタミナを伝える特異な種牡馬ということである。

 祖母ヒードの父は、めったに血統図に登場しないが、米12FのベルモントSを圧勝している種牡馬キャヴァート(その父キャノネイド)。3代母の父はニジンスキー。4代母の父はエルバジェ。その前はクリムズンサタンの父として出てくるスパイソング……。スピード系とされる種牡馬がまったく配されていない牝系なのである。日本でも珍しい3400mの長距離レースで真価発揮といきたい。

 2600mを日本レコードの2分37秒3で勝っている前出のサクセスパシュートと、ステイヤーズS2着のファタモルガーナ(これも前出)が本線。波乱必至と思えるので、ジャガーメイル、フォゲッタブル、メイショウカドマツ、まだ完全に過去の馬となったとは信じたくないモンテクリスエスにも流したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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