今年は難しいポイントが山のようにある。まず、単勝は売れること必至のカレンブラックヒル。ガルボもそうだが、初のダートがいきなりG1になる。ダートはこなすとして、果たして通用するのだろうか?GIになって過去16回、連対した馬は1頭も存在しないことは知られている。
エスポワールシチー、テスタマッタのように2勝目を狙って勝った馬は1頭もいないことも知られている。だいたい、7歳以上馬は、過去16年間に計64頭も出走して、1頭も勝ったことがないのである。ダートはベテラン強しとされるが、それは2000m級でのこと。マイル戦はスピードと切れ味の勝負。4〜5歳馬が合わせて13勝。6歳馬が3勝。圧倒的に若い馬有利がフェブラリーSの最大特徴である。
しかし、今年は5歳馬(過去8勝)は、グレープブランデー1頭が出走しているだけ。4歳馬もたった3頭しかいない。若手優勢のパターンを信用していいのだろうか?一方、ここまでは不振だったが、[そのレベル高し]とされる現7歳世代が、なんと7頭も出走しているのである。
過去14年間に連対した関東馬は、カジノドライブ1頭のみ。関西馬が13連勝もしている。イジゲンは大丈夫だろうか?
ここまでのパターンやジンクスは崩れ、歴代は変わりそうである。
不利とされる初ダート。ましてG1だが、カレンブラックヒルに期待したい。ほとんどの馬が父母両系ともにアメリカ血筋の現在、一部の馬は別に、ダートが向かない馬は少ない。カレンブラックヒルの場合、父ダイワメジャーはヴァーミリアン一族の代表馬であり、自身もダートで勝っている。母方はダートOKのアメリカ血脈が濃い。砂を被ってはアウトだが、幸い引いたのは外枠。カレンブラックヒルより外に速い先行馬は見当たらない。タイセイレジェンドあたりが内から飛ばす構えを見せてくれると、古馬を封じた 毎日王冠と同じように、すんなり2〜3番手追走が可能と思える。砂さえかぶらなければ、マイル4戦全勝のスピード能力がフルに生きて不思議ない。苦しい形の秋の天皇賞2000mを乗り切って1分57秒7。非力なマイラーには不可能な記録である。
レベルは大きく異なるのは間違いないが、かつてクロフネは、初ダートの東京1600mを当時の大レコード1分33秒3で独走している。初ダートになる馬は大丈そうに見えても、半信半疑の評価になるのは当然。でも、死角ばかり考えても仕方がない。
ダートチャンピオンとして知られる馬のうち、カネヒキリ、前出のヴァーミリアン、今回出走するエスポワールシチー、トランセンド。さらには、ゴールドアリュール、フェブラリーSをレコード勝ちのメイショウボーラーも、芝からダートに転じたとき、それが下級条件にもかかわらず、みんな人気の中心ではなかったという記録が残っている。カレンブラックヒルには、挑戦者らしく強気に攻めの姿勢を見せてもらおう。しかし、前日の単勝は売れすぎかもしれない。連勝馬券にしたい。
グレープブランデー、シルクフォーチュン本線に、妙味はダノンカモン。テスタマッタ、イジゲン、ワンダーアキュートを連勝の相手としたい。