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アーリントンC

  • 2013年02月22日(金) 18時00分
 春の中山と阪神に舞台が移動して、次週はもう3月だから、「弥生賞」と「チューリップ賞」。クラシックを前にした最重要トライアルが組まれている。

 その1週前の1600mなので、ちょっと注目馬が少ないケースが多い。クラシックというよりはっきりNHKマイルCを展望するグループのレースである。といって、クラシックと全然関連しないわけではなく、近いところでは2008年のディープスカイ(日本ダービー馬)がこの重賞に出走して3着だった。

 2002年のタニノギムレット(日本ダービー馬)は、シンザン記念のあとここに出走して楽勝。のちに皐月賞2着、日本ダービーも2着することになる2001年のダンツフレームもこのレースを勝っている。

 アーリントンCが創設された1992年以前には、ちょうど同じ条件のペガサスSが5回行われていた。前身に相当する。1988年、移籍してJRA初登場のオグリキャップが、笠松の安藤勝己騎手から、当時まだバリバリの現役=河内洋騎手に代わり、衝撃のJRAデビューを飾ったレースでもある。2番人気だった。

 人気はコパノリチャード(父ダイワメジャー)と、カオスモス(父マイネルラヴ)が分け合うが、キャリアで勝り、対戦した12月2日の「千両賞」1600mを1分33秒4。2着コパノリチャードに1.1/4馬身差をつけて完勝しているカオスモスから入りたい。

 当時、コパノリチャードは新馬を勝った直後の2戦目。コースも距離も初めて。当時すでに4戦のキャリアを持ち、1600mの経験もあったカオスモスがはるかに有利だった。だから、ここが4戦目になるコパノリチャードはもうカオスモスに追いつき、力関係は逆転しているとみることもできるが、カオスモスのこの中間の動きはこれまでよりずっと力強い。鋭さも増した。カオスモスもまたパワーアップしているのである。

 内田博幸騎手が乗るのは今回が連続して4回目。逃げタイプのコパノリチャードを最初からピタッとマークするだろう。スプリンターズSの勝ち馬マイネルラヴ(父シーキングザゴールド)産駒。明らかにスピード系で、もうマイル以下の路線にマトを絞っているが、距離延びては良くないだろう…というだけで、成長力がないわけではない。

 母メアリーズガーデンは、サンデーピクニック産駒。2007年のアーリントンCでローレルゲレイロを封じて勝ち、のちに函館記念も制したトーセンキャプテン(父ジャングルポケット)の半妹になる。母の父になるファルブラヴは、ここまでの獲得賞金額上位16頭までを「牝馬とセン馬」だけが独占するという、あまりにも不思議すぎる種牡馬。自身はジャパンC勝ち馬なのに、距離延長を好まない産駒も多い。

 ブルードメアサイアーとして頭角を現してきたのはカオスモスが初めて。どんな特徴を伝えるかにも興味がある。意外や、ある程度のスタミナを伝える気もする。

 逆転は、当然、コパノリチャードだが、今週の動きが目立ったテイエムイナズマ(父ブラックタイド)も同列の2着候補として、3着候補に加えるのがラブリーデイ、レッドアリオン、タガノエンブレムの3頭。「1頭−2頭−5頭」の3連単フォーメーション8点としたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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