次週23日に「毎日杯」が残っているが、今週の若葉SとスプリングSで皐月賞の出走予定馬のほとんどが決定する。今年は、おそらく上位6〜7頭が差なく横並びになるような勢力図が描かれることだろう。大接戦だった弥生賞上位グループを中心にして。
弥生賞で脚を測るように小差3着のコディーノの好走、共同通信杯で2着したゴットフリートの好走により、朝日杯FSでこの2頭に勝っているロゴタイプ「父ローエングリン」の評価は、レース直後より高くなっている。
レースキャリアの浅い馬が、それも若い時期に、マイルを激走して速い時計で乗り切るのは大きな危険を伴なう。若駒の成長を阻むような反動となって、のちのレースに重大な影響を及ぼすことも珍しくない。だが、昨年の朝日杯FS組は、意外に平気だった。ロゴタイプの場合は、その前回も東京のマイルをレコードで激走しているから、なおさら心配だったが、オーバーホールと充電を完了したロゴタイプの体つきは、2歳時より大幅に進化している。バランスが良くなると同時に、窮屈なところがどこにも感じられなくなった。
今回は控えめ、控えめの、いかにも無理な負担をかけたくない印象を与える調教過程がちょっとだけ気になるものの、動きは悪くない。ひよわさも、逆の太め感もない。父ローエングリンは、丸6年間も走り続けた。きわめて丈夫でタフだった。フランスにも、香港にも遠征し、出走した距離は1200mのスプリンターズSから、3000mの菊花賞まで。ダートにも出走している。最後は燃え尽きた感じの引退だった。このパターンはふつう、種牡馬となってまず成功しない典型的なケースである、ところが、あくまでタフなローエングリンは、2年目のJRAにはあまり数多くない産駒の中から、朝日杯の1着、3着馬を送り出したのである。タフで丈夫な最大の長所を産駒に伝えることに成功した。
ローエングリンは、スプリングSだけは6着にとどまったものの、中山1800mの中山記念を[2-1-0-0]。いろんな距離に出走した中でもっとも得意な距離だった。平均ペース型のロゴタイプも、マイルより1800〜2000mの方が合う公算大とである。正攻法の好位追走の形を取るなら、評価を下げるような凡走はまずないと思える。相手は、距離2000mで一変したヘルデンテノール。時計の2分00秒7も、上がり34秒4も上々。上のサンカルロとは異なって、2000m前後こそベストなのだろう。
次いで、中山コース2戦2勝のマンボネフュー。以下、アクションスター、フェイムゲーム、アドマイヤオウジャが押さえ。穴馬に再び動き良化のマイルストラーノをぜひ加えたい。