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荒れるマーチS

  • 2013年03月19日(火) 12時00分
 GI週だが、敢えてマーチSについて書いてみたい。

 中山の重賞では中山牝馬Sが期待ほど荒れなかった今年だが、波乱の多い重賞というとマーチSも負けていない。

 昨年・一昨年は1〜3着馬がすべて6番人気以下。それ以前も毎年6番人気以下が1頭は絡んでいる。過去10年のうち9年は6番人気馬の連対があり(うち5回は連対馬がともに6番人気以下)、残る1年(2004年)も8番人気馬が3着となっている。

 単純に言うと、1〜5番人気馬の馬連ボックス10点が10年中9年ハズレているわけで、3連単のボックス60点は10年すべてハズレ(3連単導入前も含まれるが)という勘定になる。本命党にとってはやりづらい重賞だろう。

 阪神で行われた2011年も結局荒れたので、コースに起因するものというよりレースの条件そのものが荒れやすいということなのだろう。同じハンデGIIIでもシリウスSはさほど荒れないので、1800mという距離や前後の時期にあるレースとの関係が影響しているのではと思う。

 人気薄を買うという前提で予想をする際、重要なのはハンデに惑わされないということだ。マーチS過去10年の6番人気以下馬に限定しても、斤量増減別成績は以下のようになっている。

種別 勝率 連対率 単回収率 複回収率
増減無し 0.0% 10.7% 0 88
今回増 15.0% 25.0% 202 183
今回減 3.6% 10.9% 76 115

 前走に比べて斤量が減った馬も複勝率はプラスだが、勝率・連対率・単回収率は低い。また、斤量減組の複回収率は昨年3000円台の配当を出したメイショウタメトモ1頭に大きく依存しており、同馬を除くと一気に59%になってしまう。

「このハンデではおいしくない」と思われている馬こそ、実はおいしいという風に考えておくのがよさそうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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