「これでダメなら放牧。諦めるしかないわな」
松田博調教師が自ら退路を断つ形で先週の若葉Sに臨んだレッドルーラー。その思いが通じたのか、阪神内回りの短い直線で一気の追い込みを決め、皐月賞の出走権をゲットした。ただ、その場で皐月賞行きは明言しなかった。「ダービーを目指してもいいし、オーナーと相談してから次を決める」と同師。この後の采配が気になるところだ。
さらにトレーナーを喜ばせる孝行息子が帰ってきた。先週のコラムの最後で触れたライジングゴールドだ。11月17日の京都芝外1800メートル未勝利戦を勝ち上がって以来休養していた馬だが、この未勝利戦の中身がなかなか濃い。2着ポセイドンバローズはこのレースの2走後に勝ち上がり、続くゆきやなぎ賞でも3着と健闘。3着アルバタックス、4着エーシンマックスは直後のレースで初勝利、5着ソロルに至ってはダート戦ながら未勝利→黒竹賞と連勝後、ヒヤシンスSでもクビ差2着に入っている。これらを抑えて勝ち切ったのだから、期待をかけるなと言う方が無理な話だ。
未勝利勝ち直後にソエが出た上に、肩の不安も発症。放牧に出されたため日程的にクラシック初戦は見送らざるを得ないが、松田博師の“ライジング株”は急上昇中。まだ牧場で本格的なトレーニングに移る前から「これは大きいところを狙えるかもしれん」と口にするほどだった。
6日に栗東へ帰厩。13日にはウッドで初時計をマークした。「体は以前よりも締まってきたが休んでいた分、頼りない感じも。まあ、このひと追いでシャキッとしてくるやろ」と松田博師。
気になる復帰戦は30日の500万下・アザレア賞(阪神芝外2400メートル)が濃厚。「もうひとつも落とせないからな。初っぱなから勝負。ここを勝ってトライアルからダービーへ向かいたい」。混戦模様の牡馬クラシック戦線に割って入れるか。注目していきたい。
松田博厩舎といえば牝馬路線のヴィルジニアにも注目が集まる。新馬勝ち直後に挑んだチューリップ賞ではクビ差で桜花賞の切符を逃す4着に敗れたが、「キャリアも浅い中でよく頑張った。もともと距離はもつと思っているし、次は勝てるやろ」と明るい見通しを立てている。そのためにも4・7桜花賞当日に行われる忘れな草賞(阪神芝内2000メートル)は、格上挑戦とはいえ落とせない一戦となる。
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