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主役なき桜花賞

  • 2013年04月02日(火) 12時00分
 桜花賞に向かうにはいくつかのルートがある。チューリップ賞、フィリーズレビュー、アネモネSというトライアル、そしてフラワーCが主要ルートだ。

 今年はこの4レースで、いずれも1番人気馬が敗れた。優勝したのは各レースの2番人気馬か3番人気馬である。

 このようなケースはどのくらいあるのだろうか?

 フィリーズレビューというレース名ができた2001年以降でいうと、2002年と2010年が同様だった。

 2002年はアネモネSで1番人気8着だったアローキャリーが13番人気で優勝し、2着に7番人気のブルーリッジリバー。1番人気以外で前記4レースを勝った4頭は5、6、13、16着だった。

 2010年はチューリップ賞で1番人気2着だったアパパネが1番人気1着。2着にフラワーC3番人気1着のオウケンサクラ。フラワーC以外の3レースを勝ってきた馬は4、7、16着。

 前者はステップレースの結果を反映して大荒れ、後者は馬連については堅めの決着だが、3着は11番人気のエーシンリターンズ。主役無き桜花賞は、やはりすんなりとはいかない。

 さらに今年は、前記4レースの1番人気馬のうち掲示板に踏みとどまったがアネモネSのサクラディソール(3着)のみ。チューリップ賞のレッドオーヴァル7着、フィリーズレビューのサンブルエミューズ11着、フラワーCのカラフルブラッサム7着と重賞1番人気馬はすべて大崩れした。

 3重賞の1番人気馬がすべて掲示板を外したのは、チューリップ賞が重賞となった94年以降はじめて。それどころか、3着以内が無かったこともはじめてで、連対馬がいなかったことも94年だけ(3着馬が2頭)なので、今年は我々が初めて経験するレベルの「主役なき桜花賞」ということになる。

 この状況下で、わざわざ人気サイドの馬券を買うのはつまらない。最低でも2010年(ちなみに3連単は4万円弱)のレベル、本音としてはもっと上を狙っていきたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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