この春の重賞でも、多くのショック療法を施された穴馬が走ったが、今回はその中で、前走ダートからのショック馬の狙い方を見ていこう。
ニュージーランドTでは、ダートからのショック馬、ストーミングスターが単勝万馬券、12番人気の人気薄で3着に激走した。
私はこの馬を、予想では3番目、本命にしたエーシントップの相手で馬単2点目という評価をしていた。
その理由の1つ目には、バウンド延長であった点が挙げられる。
バウンド延長とは、2走前1400m→前走1200m→今回1600mというように、前走短縮→今回延長という2走前からの連続したショックだ。これは単純な短縮ショックより効果がある場合が多い。
というのも、単純な短縮ショックではなく、2走前に長い距離を経験させていることで、今回の延長に対する心身の準備をさせておくという効果が期待できるからだ。
ただ、これは敢えてダートからのショック馬を狙う理由にはならない。芝からのショック馬でも、同じようにバウンド延長は効果的なケースが多いだからだ。
次のポイントは、同馬が先行馬である点。
これはMでは「先行馬の距離延長」と呼ばれる順ショックになる。
基本的に馬は前走より楽に感じると好走しやすい。
先行馬にとって、前走よりペースが緩む可能性の高い延長は、前走より楽に先行出来るぶん、心身にとっての負荷は減って、道中気分良く感じる。
もちろん、延長した距離に対応するスタミナがないと最後に辛く感じるが、多少の適性の無さなら、道中の気分の良さで相殺できるのだ。
それどころか、道中のラップ次第では、仮に適性の無い距離への延長でも、気分よく先行出来たぶんだけ、前走の適性距離以上のパフォーマンスを見せることも多い。
この「先行馬の距離延長」も、何もダートから芝のショック馬に限ったことでは無く、当然、芝から芝の馬でも同じように効能がある。
ただし、ダートからのショック馬の方が、より「先行馬の距離延長」は効きやすい。
ダートからの馬は矯めるより、最初からトップスピードに加速したり、あるいは一本調子に力をそのまま出して乗る競馬に慣れている。
そういう馬にとって、延長の緩い流れで、我慢して矯めて乗れというのは、かなりの精神的負担になるのだ。
延長の差し馬でも、速い流れになったり、特殊馬場だったり、大捲りや追い込みなど、上手く注文付けて乗ったりすれば走れることも多いが、安全性で言えば、やはりダートからのショックで、かつ延長なら、先行馬が好ましいのである。
また、このときの芝はタフな馬場になっていた。
タフな馬場でのトリッキーな中山フルゲートでの激戦。先行する馬には、かなりタフな先行力が要求される。
そういうタフさには、やはり砂が飛び散るダートを使ってきた馬の方が、より対応力が高くなる。
仮に「上がりが掛かるけど前残り」みたいなレース質になれば、さらにピッタリなわけだ。
また、同馬が3番枠と内枠なのも良い。
というのも、この日は内が荒れていた。
荒れた内を回って前が残るタイプのタフな馬場なら、よりダートからショックは活きる。
加えて、ダートからのショックはS質(闘争心、強引さ)、パワー、スピードが強調されるが、量という要素はマイナス加点になりやすい。今回は延長なので尚更である。
そうなると、外々回って走るような、気の良さや体力を要求される競馬は向かなくなる。
内々を馬群を厭わず、一杯一杯に走りきるような競馬が、ダートからのショックには合うのだ。
同馬の父ストーミングホームもポイントとなっている。
昨年出した辞典の解説では、「力任せに走る強引なタイプで重い芝をこなす」とある。
先行馬の延長で、単調なパワー競馬になる重い馬場状態を一本調子に押し切るには、ちょうど良い血統構成だ。
このニュージーランドTとほぼ同じパターンだったのが、毎日杯で単勝21倍の6番人気と人気薄で本命にしたガイヤーズヴェルトだ。
2走前が1800mで前走が1600m。そして今回が1800mとバウンド延長の形である。
また2走前には16頭立てで3角3番手と先行。前走は短縮多頭数の速い流れだったので中団からの競馬になったが、今回は少頭数の延長なのである程度前に行けるはず。
内目の枠で馬群を割る形も、先程のストーミングスターと同じ形だ。
そして実際、馬群を捌いて2着に激走したのだった。
あるいはフラワーCで3着に激走した、単勝18倍の人気薄リラコサージュ。これもダートからのショックだったが、私は本命にしていた。
調べて頂くと分かると思うが、今までの2頭と全く同じパターンになる。
もちろん、ダートからのショックだからといって、闇雲に狙ってはいけない。
私も、全く無視する馬の方が、どちらかというと多い。
というのも、ダートから芝、あるは芝からダートのショックは、調子が上がらず頭打ちなので、取り敢えず目先を変えたというケースが多く存在するからだ。
あるいは、今現在、体調が勝ち負けするには不十分なので、違う条件を使って適性でも調べておこうか、という困った考えで使うケースも多い。
当然、そういう馬は勝ち負け出来ない。
そういったやる気が最初から陣営に無い馬を避け、Mの順ショックになっているダートからの馬を見つけて、狙って頂きたい。
他にもダートから芝ショックの狙い方はいろいろあるのだが、それはまた次の機会に譲ろうと思う。
この春の重賞でも、多くのショック療法を施された穴馬が走ったが、今回はその中で、前走ダートからのショック馬の狙い方を見ていこう。
ニュージーランドTでは、ダートからのショック馬、ストーミングスターが単勝万馬券、12番人気の人気薄で3着に激走した。
私はこの馬を、予想では3番目、本命にしたエーシントップの相手で馬単2点目という評価をしていた。
その理由の1つ目には、バウンド延長であった点が挙げられる。
バウンド延長とは、2走前1400m→前走1200m→今回1600mというように、前走短縮→今回延長という2走前からの連続したショックだ。これは単純な短縮ショックより効果がある場合が多い。
というのも、単純な短縮ショックではなく、2走前に長い距離を経験させていることで、今回の延長に対する心身の準備をさせておくという効果が期待できるからだ。
ただ、これは敢えてダートからのショック馬を狙う理由にはならない。芝からのショック馬でも、同じようにバウンド延長は効果的なケースが多いだからだ。
次のポイントは、同馬が先行馬である点。
これはMでは「先行馬の距離延長」と呼ばれる順ショックになる。
基本的に馬は前走より楽に感じると好走しやすい。
先行馬にとって、前走よりペースが緩む可能性の高い延長は、前走より楽に先行出来るぶん、心身にとっての負荷は減って、道中気分良く感じる。
もちろん、延長した距離に対応するスタミナがないと最後に辛く感じるが、多少の適性の無さなら、道中の気分の良さで相殺できるのだ。
それどころか、道中のラップ次第では、仮に適性の無い距離への延長でも、気分よく先行出来たぶんだけ、前走の適性距離以上のパフォーマンスを見せることも多い。
この「先行馬の距離延長」も、何もダートから芝のショック馬に限ったことでは無く、当然、芝から芝の馬でも同じように効能がある。
ただし、ダートからのショック馬の方が、より「先行馬の距離延長」は効きやすい。
ダートからの馬は矯めるより、最初からトップスピードに加速したり、あるいは一本調子に力をそのまま出して乗る競馬に慣れている。
そういう馬にとって、延長の緩い流れで、我慢して矯めて乗れというのは、かなりの精神的負担になるのだ。
延長の差し馬でも、速い流れになったり、特殊馬場だったり、大捲りや追い込みなど、上手く注文付けて乗ったりすれば走れることも多いが、安全性で言えば、やはりダートからのショックで、かつ延長なら、先行馬が好ましいのである。
また、このときの芝はタフな馬場になっていた。
タフな馬場でのトリッキーな中山フルゲートでの激戦。先行する馬には、かなりタフな先行力が要求される。
そういうタフさには、やはり砂が飛び散るダートを使ってきた馬の方が、より対応力が高くなる。
仮に「上がりが掛かるけど前残り」みたいなレース質になれば、さらにピッタリなわけだ。
また、同馬が3番枠と内枠なのも良い。
というのも、この日は内が荒れていた。
荒れた内を回って前が残るタイプのタフな馬場なら、よりダートからショックは活きる。
加えて、ダートからのショックはS質(闘争心、強引さ)、パワー、スピードが強調されるが、量という要素はマイナス加点になりやすい。今回は延長なので尚更である。
そうなると、外々回って走るような、気の良さや体力を要求される競馬は向かなくなる。
内々を馬群を厭わず、一杯一杯に走りきるような競馬が、ダートからのショックには合うのだ。
同馬の父ストーミングホームもポイントとなっている。
昨年出した辞典の解説では、「力任せに走る強引なタイプで重い芝をこなす」とある。
先行馬の延長で、単調なパワー競馬になる重い馬場状態を一本調子に押し切るには、ちょうど良い血統構成だ。
このニュージーランドTとほぼ同じパターンだったのが、毎日杯で単勝21倍の6番人気と人気薄で本命にしたガイヤーズヴェルトだ。
2走前が1800mで前走が1600m。そして今回が1800mとバウンド延長の形である。
また2走前には16頭立てで3角3番手と先行。前走は短縮多頭数の速い流れだったので中団からの競馬になったが、今回は少頭数の延長なのである程度前に行けるはず。
内目の枠で馬群を割る形も、先程のストーミングスターと同じ形だ。
そして実際、馬群を捌いて2着に激走したのだった。
あるいはフラワーCで3着に激走した、単勝18倍の人気薄リラコサージュ。これもダートからのショックだったが、私は本命にしていた。
調べて頂くと分かると思うが、今までの2頭と全く同じパターンになる。
もちろん、ダートからのショックだからといって、闇雲に狙ってはいけない。
私も、全く無視する馬の方が、どちらかというと多い。
というのも、ダートから芝、あるは芝からダートのショックは、調子が上がらず頭打ちなので、取り敢えず目先を変えたというケースが多く存在するからだ。
あるいは、今現在、体調が勝ち負けするには不十分なので、違う条件を使って適性でも調べておこうか、という困った考えで使うケースも多い。
当然、そういう馬は勝ち負け出来ない。
そういったやる気が最初から陣営に無い馬を避け、Mの順ショックになっているダートからの馬を見つけて、狙って頂きたい。
他にもダートから芝ショックの狙い方はいろいろあるのだが、それはまた次の機会に譲ろうと思う。
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※正誤表が
競馬王ブログに掲載されています。