あまり言われる機会はないようだが、宝塚記念にはひとつの明快な傾向がある。
「前走3着以内が連対の条件」がそれである。
過去10年の連対馬20頭のうち、実に19頭までが前走オープン3着以内。唯一の例外は、96年の宝塚記念を勝った時のマヤノトップガン(前走天皇賞春5着)である。
そのマヤノトップガンは前走負けながらも1番人気になっていた馬であり、「前走着順がどうであろうと、人気になるレベルの馬なら好走可能なのでは」と考える人もいるだろう。しかし、そんなことはない。
前走4着以下から1番人気になったのはマヤノトップガンだけなのだが、2000年のグラスワンダー(前走京王杯SC・9着)は2番人気で6着に負けている。3番人気ではニシノフラワー、ナイスネイチャ、ダンスパートナー、オースミブライト、エアシャカールの5例があるが、ダンスパートナーの3着が最高だ。さらに、4番人気になっていた3頭は全て掲示板を外している。
過去10年の宝塚記念における「前走4着以下馬」の総合成績は[1-0-3-55]で単勝回収率3%・複勝回収率20%。普通数値がそこそこにまとまりやすい「5番人気以内」という条件にしても、[1-0-1-13]で単勝13%・複勝18%である。
この傾向をそのまま宝塚記念にあてはめると、登録馬中買えるのは8頭のみとなる(他にエイシンプレストンとトシザブイが該当するが、回避予定)。いまひとつ絞れていないように見えるが、サイレントディール、サンライズジェガー、ダンツフレームといったあたりを買わなくてすむのだから、だいぶ楽な話になる。
個人的には、ここから天皇賞の1、3着馬を割愛していきたい。天皇賞→宝塚記念と好走する馬は距離区分を無視した「とにかくその時代に強い馬」ばかりで、ステイヤーとしての専門色が強すぎるヒシミラクルやダイタクバートラムではタイプが違うと思う。