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宝塚記念は前走3着以内を狙え

  • 2003年06月23日(月) 16時18分
 あまり言われる機会はないようだが、宝塚記念にはひとつの明快な傾向がある。

 「前走3着以内が連対の条件」がそれである。

 過去10年の連対馬20頭のうち、実に19頭までが前走オープン3着以内。唯一の例外は、96年の宝塚記念を勝った時のマヤノトップガン(前走天皇賞春5着)である。

 そのマヤノトップガンは前走負けながらも1番人気になっていた馬であり、「前走着順がどうであろうと、人気になるレベルの馬なら好走可能なのでは」と考える人もいるだろう。しかし、そんなことはない。

 前走4着以下から1番人気になったのはマヤノトップガンだけなのだが、2000年のグラスワンダー(前走京王杯SC・9着)は2番人気で6着に負けている。3番人気ではニシノフラワー、ナイスネイチャ、ダンスパートナー、オースミブライト、エアシャカールの5例があるが、ダンスパートナーの3着が最高だ。さらに、4番人気になっていた3頭は全て掲示板を外している。

 過去10年の宝塚記念における「前走4着以下馬」の総合成績は[1-0-3-55]で単勝回収率3%・複勝回収率20%。普通数値がそこそこにまとまりやすい「5番人気以内」という条件にしても、[1-0-1-13]で単勝13%・複勝18%である。

 この傾向をそのまま宝塚記念にあてはめると、登録馬中買えるのは8頭のみとなる(他にエイシンプレストンとトシザブイが該当するが、回避予定)。いまひとつ絞れていないように見えるが、サイレントディール、サンライズジェガー、ダンツフレームといったあたりを買わなくてすむのだから、だいぶ楽な話になる。

 個人的には、ここから天皇賞の1、3着馬を割愛していきたい。天皇賞→宝塚記念と好走する馬は距離区分を無視した「とにかくその時代に強い馬」ばかりで、ステイヤーとしての専門色が強すぎるヒシミラクルやダイタクバートラムではタイプが違うと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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