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netkeiba

格下の差し・追込を狙う手も

  • 2003年06月30日(月) 17時28分
 ラジオたんぱ賞というのは、過去10年の中に中山や東京で行われた年があることも含めて、傾向分析が難しいレースである。

 こんな難しいレースで昨年はどんな原稿を書いていたのだろうと思い調べてみたところ、ちょうど話題であった新馬券、馬単の「オモテ」と「ウラ」でオモテのオッズがおいしくなっているという話がメインであった。

 それと同時に脚質の話に触れ、(当時の)開催2週目には差しも決まっていたが、福島芝1800mはもともとが先行有利のコースなので、素直に前の馬から買った方がいいだろう、という話も書いていた。

 しかし、現実には「4コーナーで馬券を売っていても買ったかどうか微妙」というほどの存在、カッツミーが豪快な追い込みを決めてしまい、話はますます混沌としてきたわけである。

 その前の年もトラストファイヤーが追い込んでおり、さらに遡るとアドマイヤカイザーの2着などもあり、「素直に前から」では捌ききれないようだ。今年は2週目にかなりの雨が降り、馬場の傷みが激しいこともあってなおさらである。

 私は「競馬は前から買うのが基本」という信条の人間なのであまり気が進まないが、これほど差しが決まると手を出してみたくもある。しかし、ただ差しタイプを買うのでは芸がない。「格がない方から順に差しタイプを取る」というのはどうだろう。

 もともとたんぱ賞は格が関係ないレース。「前走G1出走の1〜2番人気馬」が過去10年で[0-0-1-10]というほどだ。しかも今年は重賞連対歴のある馬が1頭もいない。このようなメンバー構成で、敢えて実績上位馬から買う必要もない。

 1勝チームからはメジロトッティかタイキアルファあたりが候補となる。使い込まれいない点では後者に分があるが、前者くらい「一見、どう見ても来なさそうな馬」が飛んでくるのもラジオたんぱ賞の怖さである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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