ラジオたんぱ賞というのは、過去10年の中に中山や東京で行われた年があることも含めて、傾向分析が難しいレースである。
こんな難しいレースで昨年はどんな原稿を書いていたのだろうと思い調べてみたところ、ちょうど話題であった新馬券、馬単の「オモテ」と「ウラ」でオモテのオッズがおいしくなっているという話がメインであった。
それと同時に脚質の話に触れ、(当時の)開催2週目には差しも決まっていたが、福島芝1800mはもともとが先行有利のコースなので、素直に前の馬から買った方がいいだろう、という話も書いていた。
しかし、現実には「4コーナーで馬券を売っていても買ったかどうか微妙」というほどの存在、カッツミーが豪快な追い込みを決めてしまい、話はますます混沌としてきたわけである。
その前の年もトラストファイヤーが追い込んでおり、さらに遡るとアドマイヤカイザーの2着などもあり、「素直に前から」では捌ききれないようだ。今年は2週目にかなりの雨が降り、馬場の傷みが激しいこともあってなおさらである。
私は「競馬は前から買うのが基本」という信条の人間なのであまり気が進まないが、これほど差しが決まると手を出してみたくもある。しかし、ただ差しタイプを買うのでは芸がない。「格がない方から順に差しタイプを取る」というのはどうだろう。
もともとたんぱ賞は格が関係ないレース。「前走G1出走の1〜2番人気馬」が過去10年で[0-0-1-10]というほどだ。しかも今年は重賞連対歴のある馬が1頭もいない。このようなメンバー構成で、敢えて実績上位馬から買う必要もない。
1勝チームからはメジロトッティかタイキアルファあたりが候補となる。使い込まれいない点では後者に分があるが、前者くらい「一見、どう見ても来なさそうな馬」が飛んでくるのもラジオたんぱ賞の怖さである。