先週、中竹厩舎に行くと2枚の緑ゼッケンが置いてあった。数字は200番台。例年なら産地馬体検査の後は400番代近くまでいくのだが、やはり今年はこれまでの状況とは違うようだ。噂レベルで「某大手は『今年は函館だけしか北海道の競馬がないし、それなら産地馬体検査を受ける必要はない。直接各トレセンに行って登録をすればいい』と言ってあまり受検しなかったようだ」という話を耳にしていたが、この現実を見るとそれは本当だったのだろう。
もっとも、近年の産地馬体検査は元来の「北海道での夏競馬振興(競走馬登録→札幌、函館各場へ直接入厩、出走のサイクルをスムーズにする)」の目的よりもメディアに対するお披露目(これはPOGを推す記者としても心苦しいのだが)や、馬主へのアピールという側面が強くなっているとも聞く。「これからデビューというのにムダに輸送するリスクは背負いたくないし、あの検査場の慌ただしさ。幼稚園児ばかりが集まっているようなものだから、そりゃあ危なっかしいさ。JRAでの登録はトレセンでもできるし、最近は札幌も函館も少ないながら直接入厩できるようになった。無理に産地馬体検査を受けに行くこともないんだ」と某調教師。
今年は札幌競馬がないということが受検馬減の主な原因となったが、これをきっかけに産地馬体検査のあり方や実施方法などを検討してもいいのではないだろうか。産地馬体検査での立ち写真を心待ちにするファン、それを飯のタネ(記者も含まれる)とする人間にとっては痛しかゆしだろうが、やはり主役はサラブレッド。もう少し主役に配慮するやり方があっていいと思う。
先週の時点でもまだ2歳馬の数は「開幕週に揃うのか?」という程度だったが、安田厩舎の3頭が初めての15-15の追い切りをやったことで、木曜の調教スタンドはにわかに盛り上がった。坂路でサトノバリアント(牡=父キングカメハメハ、母ミルフィオリ)とカレンマタドール(牡=父マンハッタンカフェ、母ラシャルマンテ)が鼻面を並べ、これをマダムリシェス(牝=父サクラバクシンオー、母ワイキューブ)が追走する形でスタート。いずれも馬なりで「最初ですし、まだまだ」と安田調教師は評価は保留していたが、その中で「走りがスムーズでしたね」と一定の評価を得ていたのはサトノ。これは記者が見ていてもそう感じた。カレンは少し頭を上げるなど、前から聞いていた通り若干うるさい面を見せていた。マダムは「やはりパワーがありそう」というように重心の低い走り。サトノは開幕日の阪神マイル、マダムは2日目の芝1200メートル、カレンは東京遠征を予定しているとのこと。まずはスタートラインにつけるよう、順調に調教を重ねてほしいものだ。
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