第80回日本ダービーが刻一刻と迫っている。若駒の成長、戦い、陣営の期待、苦悩など、成長期のサラブレッドのエピソードを毎週取り上げてきた当欄に登場した馬も少なくない。POGの総決算でもあるダービー。今週は勝ち馬を探る特別編、週末までお付き合いいただきたい。
皐月賞が「最も速い馬が勝つ」のに対し、世代の頂点を決めるダービーは「最も運がある馬が勝つ」と言われる。ある意味、無責任にも聞こえるフレーズだが、一方で含蓄のある言葉ではないだろうか。
NHKマイルCの翌週。1番人気に推されながら7着に終わったエーシントップの西園正都調教師に、松田博資調教師がこう声をかけた。
「いい競馬をしたけどな。運がなかったな」
西園師は「レースでの不利やら、いろいろ言いたいことはあったんだ。でも、松田先生にああ言われて救われた気もするよ」。勝つよりも、はるかに敗れることが多いのが競馬。「運」は勝者にとって「運が良かったんだ。おごるなよ」という戒めに、敗者には「風向きが悪い時もあるさ」という慰めにもなる便利なフレーズ…。だからこそ、競馬を代表するダービーに「運」をあしらったのかもしれない。
そして、今年ほど「運」が作用した牡馬クラシックロードもなかった。皐月賞終了直後は「出走できる賞金ボーダーは相当に高くなるかも」とウワサされた。GIIのデイリー杯2歳Sを勝っているテイエムイナズマの花田助手が「この賞金(本賞金2200万円)でも危ないとある人に言われましたからね。そうなったらトライアルを挟もうと考えていました」と話すほどだった。
ところが故障馬などが出て、ボーダーラインは一気に下落。京都新聞杯のレース直前には「1勝+GII2着」の賞金でもダービー出走が可能となっていた。そのレースで2着に入って、開業2年目で早くも“ダービー切符”を得たのがペプチドアマゾンを管理する吉村圭司調教師。
「こればかりは運ですよね。いい馬、いい馬主さんに巡り合えた。ありがたい限りです」と目を細める。池江泰寿厩舎を縁の下から長く支えてきた苦労人に、早くも訪れたビッグチャンス。この運に乗って、開業1年余で頂点を極めてしまう可能性ももちろんある。
※本日は『トレセン発秘話』も更新されております。下部のバックナンバーからご覧ください。
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