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激戦を制したメイショウマンボのタイプ分析

  • 2013年05月22日(水) 18時00分
 今週は日曜の新潟2Rで、私の前日予想の順番通りに3着まで決まったので、3連単411倍を一点目で当てることが出来た。

 このレースは、3着までどころか、1〜6着まで、きっちり私の予想した順番通りに入線した。3連単で4万円なので、6連単だと何百万馬券になっていたかと思うと残念な話である。

 実際、WIN5より5連単、6連単を売ってくれた方が、M的には有り難い。

 馬場やペースなどのレース質さえ読めれば人気に関係なく順番を何着までも当てることは可能だが、WIN5のように異なる競馬場で、全ての天候、馬場状態を読むのは、かなりの幸運がなければ不可能だからである。

 さて、このレースで私は、7番人気のプリサイスガールという馬を本命にした。プリサイスエンド×デインヒルという血統構成で、かなり気の良さ、量的な部分を多く持っている。

 こういう血統構成の場合、休み明けから走れるケースが多く、また前走がタフな中山から、単調な新潟コースに替わるのも好都合だ。

 実際、レースは前走よりテンが0.9秒も遅くなったので、馬にとって大切な「前走より楽な気持ちで」先行して、単勝17倍をもたらしてくれたのである。

 ところで、混戦の桜花賞は人気薄のメイショウマンボが制した。

 この馬の判断は何とも難しい。父スズカマンボはL系の単調なパワー型で量もある。母父グラスワンダーも似たタイプで、父よりややSよりだ。つまり、同馬も単調な量系で、量系なので、延長の単調なレースで強く、巻返しが利く。ということは、激しいレースになった桜花賞から距離が延び、凡走後というのは、血統構成上からは狙い目になる。

 ただ気になる要素が2つあった。

 1つめは、内枠であること。延長で広い東京になるので揉まれるリスクは減るが、やはり単調な量系だけに、多頭数GIの内枠というのは若干気掛かりだ。

 そこで私の予想では、「速めの流れでばらければ」と書いて66点とした。

 つまり、揉まれない展開になればチャンスがあるというわけだ。

 ここで長年のMのファンなら、少し引っ掛かった人もいたと思う。

 普通、延長の量系の場合は、「緩い流れ(ないし単調な流れ)で揉まれなければ」と書くことが多い。「速めの流れで揉まれなければ」というニュアンスのコメントは、あまりこういうL系には使わないからだ。

 また、短い距離しか経験していない馬の大幅延長の場合は、体力的にも緩めの流れの方が対応しやすい。

 ところが、同馬の場合は微妙に違った。これまで、短い距離の速めの平均ペースで走ってきた馬だ。そして掛かりやすい。加えて、揉まれ弱い。が、体力はある。

 となると、大幅延長で速めの流れになって折り合いの心配がなくなり、また速めの流れでばらけてくれることで、多頭数内枠の揉まれるリスクが軽減され、最後に消耗戦になって体力を活かす。

 この形以外に、同馬が来るシーンというのは計算できないのだ。

 実際、レースではクロフネサプライズがけれんみのない離した逃げを打って、馬群が縦長にばらけての消耗戦の差し競馬になった。

 その条件が揃ったからこそ、来たのである。

 もう少し東京らしく密集したレースになるかとも思ったが2走前の前哨戦、1400mを勝つという多大なストレスによって当然のように桜花賞を凡走し、ストレスが薄れてオークスを勝つ。

 まさにMは嘘をつかないということを、まさまざと思い知らされ、外してしまったのだった。

 ちなみに、気になる要素の2つめは、デビューから前走まで24キロも減り続けて、今回が輸送である点だった。

 実はこっちの方が大きな心配事で、量系の場合、馬体減りは即致命傷になるケースが多いのだ。

 馬体減りは、すなわちL系自慢の、体力、量そのものの減少を端的に意味するからだ。

 前走の大敗はストレスが半分、馬体減りが半分で、もし馬体減りがなければ、6着くらいで収まっていただろう。

 ところが、間隔開けての調整が上手くいったのか、あるいは東京が余程好きだったのか、輸送があるにも関わらず10キロ増での出走。

 量系最大のネックである馬体減りを止めたことも、大きく結果に作用したのである。

 仮に今回も馬体減りなら、自慢の体力が切れて、惨敗に終わっていたはずだ。

※M3タイプ
S(闘争心)
闘争心を持つ馬。1本調子に走ろうとする性質。このタイプは気性をコントロールするために、短縮などのショック療法が有効。生涯に1度の絶頂期には、あらゆる条件を飛び越しで走ろうとするが、それを過ぎると極めて不安定になる。Sの由来は闘争を表す「Struggle」の頭文字から。

L(淡泊さ)
淡泊さを持つ馬。自分のペースで淡々と走ろうとするタイプの馬で、距離の延長や少頭数、広いコース、外枠、弱い相手との競馬が有効。Lの由来は「Light」の頭文字から。

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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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