みんなが特定の種牡馬に目が行き始めたときは、血統の神は昔からよく意地悪をする。先週のオークスはまさにそのとおりの結果に終わった。
クロフネサプライズがレースを引っぱり、本来のオークスらしいタフな競馬。長距離でもスローで流れれば、ディープインパクト産駒の瞬発力が生きるが、このペースだとスタミナと持久力の差が出てくる。
桜花賞1、2着のアユサン、レッドオーヴァルはいかにもマイラーらしい負け方だったし、メイショウマンボはいかにもステイヤーらしい勝ち方だった。
父のスズカマンボはダンスインザダーク(菊花賞)の近親。自身も4歳時に春の天皇賞でハーツクライ、ヒシミラクルらの強豪を破り、初GI制覇を果たしている。
しかし、仕上がりは早く2歳の8月にデビュー。2戦目で勝ち上がり、オープン特別の萩S(京都芝1800m)で2歳レコードを樹立する快速ぶりを見せていた。産駒も多くがこの仕上がり早の資質を受けている。ただ、スズカマンボのGI勝ちは天皇賞・春のみ。一発屋だったため配合牝馬に恵まれていない。
ステイゴールドに始まり、スズカフェニックス、スズカマンボ…と、このところディープインパクト産駒のGI勝ちを、同じサンデーのマイナー種牡馬が邪魔するシーンが目立つ。今週のダービーは果たしてどんな結果に終わるだろう。
皐月賞の1〜3着馬は、非サンデー系の父を持つロゴタイプ、コディーノ、エピファネイア。対するサンデー系の伏兵馬も多士済々。これにディープインパクト産駒のキズナ、ヒラボクディープがどう挑むか。
馬券の軸を、ロゴタイプにするかキズナにするかで迷っている。今年の牡馬クラシック戦線はディープインパクト産駒を追いかけてきたが、皐月賞のロゴタイプは強かったと素直に認める。
距離も心配していない。父のローエングリンは確かに短中距離タイプだったが、血統構成は父母系ともに欧州のステイヤー血脈の凝縮だ。ステイヤー種牡馬として成功したサッカーボーイも、競走時代はマイラーだった。これに似たタイプかもしれない。