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来年のクラシック戦線左右する転厩劇/吉田竜作マル秘週報

  • 2013年05月29日(水) 18時00分
 先週木曜(23日)エイシンオルドス(牝=父フジキセキ、母アルカイックレディ・坂口)が坂路で4ハロン52.4―13.3秒の好時計をマーク。これには坂口調教師も「最後も追ってなかったし、動きに余裕があった。あれなら距離も持ちそう。走ってきそうだね」。普段は控えめに話す人だけにトーンの高さに少々驚いた。

 一方、西園キュウ舎は2歳世代の“トップバッター”エイシンソルティー(牝=父Tapit 母Eightyfivebroadst)がゲート試験に合格。2歳戦に強い両キュウ舎が始動したことで記者も今シーズン開幕のにおいを感じた。

 今年の日本ダービーはキズナの勝利で幕を閉じたが、果たして来年のダービー馬は? その戦いが今週末には幕明けするわけだが、今シーズンはこれまでと若干傾向が変わりそうな予感がする。というのも生産、育成の「2強」社台ファームとノーザンファームの陣容が若干変化しているようなのだ。

 昨年あたりから栗東に所属していた社台ファーム生産馬が美浦へと転キュウするケースが相次いだ。「グリーンウッドとの行き来では馬体が戻らないみたいなので、(美浦の小島太キュウ舎へ)転キュウすると説明を受けた」とは西園調教師。期待していたカレンチャンの半妹プランタンビジュー(現3歳500万下)を“持って行かれる形”となり、かなりのショックを受けていた。

 この転キュウ劇の裏には山元トレセンの役割の変化がある。ノーザンファームしがらきが開場した翌年の3月11日。東日本大震災が起こった。山元トレセンのある宮城県山元町が被災した様子はテレビや新聞報道でもあった通り。在キュウ馬は北海道や栗東近郊の牧場、両トレセンへと避難しつつ、施設の復興を待っていた。

 そのさなか、ノーザンファームが福島県の天栄ホースパークを買収。美浦への前線基地、関西と北海道を結ぶ中継基地としての役割を確立させ、山元トレセンから避難していたノーザンファーム出身馬たちもこちらに移ることに…。

 半数を占めていたノーザンファーム出身馬がいなくなったことで、山元トレセンは正式に社台ファームの前線基地としての役目を背負うことになったのだ。ノーザンファームと違って、社台ファームの自前の施設(グリーンウッドは借り上げる形)は栗東近郊にはない。そのため「お膝元で」となるのは当然の流れだろう。

 2歳世代も当然影響を受けており、例えば前評判の高いダイワレジェンド(牝=父キングカメハメハ、母ダイワスカーレット)が、松田国キュウ舎ではなく、美浦の国枝キュウ舎へ入キュウしたのも、前のキュウ舎に対する不満というよりは、この流れの中での移籍なのだろう。

「栗東=ノーザンファーム」、「美浦=社台ファーム」の色分けが濃くなるとなれば、これまでとはまた違ったクラシックロードとなるかも…。

※本日は『トレセン発秘話』も更新されております。下部のバックナンバーからご覧ください。

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