今夏、初産駒を競馬場に送り出す新種牡馬は32頭。サンデーがデビューした1994年のバブル期は100頭近くいたが、それも今は昔の話となってしまった。
多頭数の種付けが可能となり、数を必要としなくなったこと。生産不況で日高の繁殖牝馬が減っていることなどが、その背景にあげられる。
32頭中、半数の16頭がサンデー系だ(直仔11頭、孫5頭)。サンデー系が依然高い人気を誇るが、目玉のマツリダゴッホ(有馬記念)はサンデー最後の世代。直仔の時代が終わりを告げ、孫の時代に進みつつある。
その孫の代表格は、アグネスタキオン産駒のディープスカイ(ダービー)。サンデーの遺伝力の確かさは、次々と成功種牡馬を生み出していったが、果たして孫の世代においても、同じ現象を生み出すのか。
歴史的には、革命の血は孫の世代になっても、依然強い影響力を示している。ただ、確率じたいは落ちていく。直仔なら、一流の競走成績であれば高確率で成功が期待できたが、孫の世代になると当たり外れが大きくなるのが一般的だ。
しかも、サンデーの直仔はディープインパクトを筆頭に、まだ現役バリバリで強い勢力を保っている。その牙城を突き崩す破壊力が備わっていないと成功は難しい。今後の勢力図を占うにおいても、ディープスカイ産駒の動向は注意深く見守りたい。
非サンデー系では、産駒数の多い順にコンデュイット、ヨハネスブルグ、カンパニー、コマンズ、パイロらが注目株。輸入種牡馬の大物は日高が中心。社台グループのラインナップに見当たらないが今年の特徴。ハービンジャー、ワークフォースの新種牡馬デビューは来年以降。今年は小休止といった感じで、その穴埋めをカンパニー、ヴィクトリーがつとめている。
来週からは産駒数の多い順に、個々の新種牡馬を取り上げていきたい。第1回目は登録頭数88頭のコンデュイット、第2回目は84頭のヨハネスブルグ、第3回目は82頭のディープスカイ、第4回目は80頭のマツリダゴッホ、第5回目は74頭のカンパニーとなる。