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種牡馬のデータ分析 ファスリエフ

  • 2013年06月12日(水) 18時00分
 今週は初年度産駒が4歳になったファスリエフ産駒を、まだ一度も詳しくやっていなかったこともあるので、見ていこうと思う。

「ヌレイエフにミスタープロテクターで、基本はパワーで押すS系で、そこそこまとまっている。1200mを走る産駒が多いが、1400mがベスト距離」というような話を以前書いた。実際、産駒のほどんとは1200mを走っているが、一番活躍しているケージーハヤブサの先週勝った三浦特別は、ダート1400m。究極では、1400mの方がより適性がある。ただ、体力が不足しているケースが多いので、1200mの方が成績としては目立ちやすい。

 データで見ても、ダート1200mが複勝率36.7%に対し、1400mが24.7%だから、ダート1200mの方がコンスタントだ。ところが、回収率だと、1200m単勝回収率70円、複勝回収率86円に対し、1400mは397円、99円と高い。強い相手に一発を狙うなら、より本質的特性が出やすい1400mがベターということになる。1000m、1150mの複勝率がともに3割を超え、短距離向きも、1600mまでは普通に走れる。これが1800mになると、複勝率9.4%とガクンと下がるので注意だ。

 産駒は、パワーで押すタイプとしては、解説したように比較的まとまっていて、素直な馬が多い。前述の三浦特別は16頭立ての3ゲートだったように、馬群をそれほど厭わないのも、まとまっているS系の特徴だ。データで見ても、複勝回収率で1枠66円、2枠133円、3枠92円と、内目の枠は比較的安定した数字になっている。

 素直なタイプは、ステップに対してもM的に素直なことが多く、加えてもとが短距離S系なので、とにかく短縮の反応は良い。実際、ダートの短縮では、複勝率32.5%、複勝回収率126円と高く、延長の23.3%、51円を圧倒している。

 やや体力不足の産駒が多いことから、延長では内枠をロス無く運べた方が無難で、延長の1400mだったケージーハヤブサの三浦特別も内枠だった。あるいは、延長の場合は軽い馬場でごまかすというパターンもある。体力や量はそれほどではないが、パワーがあるので、坂は苦にしない。

 先週500万を単勝16.9倍の人気薄で勝ったメイショウゲンカイ。前日予想で本命に取りあげていた馬だが、実は京都から阪神へのコース替わりだったのだ。

 データ的にも、ダートで東京より中山、京都より阪神が、それぞれ勝率、連対率、複勝率全てで上回っていて、急坂を苦にしないのが分かる。

 以上から、「前走より少しタフに流れるレースで短縮の内枠」というのが、馬券的には最大のポイントになってくるだろう。

※M3タイプ
S(闘争心)
闘争心を持つ馬。1本調子に走ろうとする性質。このタイプは気性をコントロールするために、短縮などのショック療法が有効。生涯に1度の絶頂期には、あらゆる条件を飛び越しで走ろうとするが、それを過ぎると極めて不安定になる。Sの由来は闘争を表す「Struggle」の頭文字から。

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※正誤表が競馬王ブログに掲載されています。

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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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