2歳戦に初産駒を送り出す新種牡馬を、今週から血統登録数の多い順に紹介していく。まず第1回目はコンディット。種付頭数(111頭)、生産頭数(90頭)、血統登録数(88頭)でナンバーワンの実績を誇るが、競走成績も抜けた存在だ。
デビューは2歳の8月。初勝利は3戦目、7戦目のゴードンS(英GIII)で重賞初制覇と、それほど目立つ馬ではなかったが、続く菊花賞に相当する英セントレジャー(英GI)を勝利してクラシック馬に輝いた。
ただ、近年の英セントレジャーはかつての権威を失っている。このレースを勝ったからといって、種牡馬としての価値が上がるものではない。コンデュイットが注目を集める存在となるのは、それ以後のことだ。
北米芝チャンピオン決定戦のBCターフ(米GI)に遠征し、イーグルマウンテンらを退けて優勝。さらに翌年の4歳時は、欧州夏の最大レースで有名なKジョージVI&QエリザベスSを優勝。欧州秋の最大レース、凱旋門賞(GI)ではシーザスターズの4着に敗れたが、続くBCターフを鮮やかに勝利して、史上2頭目の連覇を達成した。
この年、アメリカ芝牡馬チャンピオンに選ばれている。競走成績に関しては名ステイヤーと呼ぶにふさわしく、文句のつけようがない。
問題は日本の競馬に対する適性だ。過去にこれら欧米の長距離大レースを勝った馬は、重たい血統構成の馬が多く、パワーを要求される欧州で成功しても、素軽さを要求される日本では苦戦する傾向が続いている。
コンデュイットも父ダラハニ、母の父サドラーズウェルズで、典型的な欧州御用達血統の組み合わせ。成功するか否かは、この重たさをどう克服するか、素軽さをどこまで伝えられるかにかかっている。
救いはサンデー系の牝馬が急増していることだろう。サンデーは欧州血脈と相性が良く、この組み合わせでディープインパクトを筆頭に、万能の名馬を次々と送り出した。
コンデュイットの重たさを、サンデー系の牝馬がどこまで中和し、素軽さを産駒に引き出すか。成功の鍵は、サンデー系の牝馬が握っていると言えるだろう。