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サンデー系の牝馬が成功の鍵となるか

  • 2013年06月14日(金) 12時00分
 2歳戦に初産駒を送り出す新種牡馬を、今週から血統登録数の多い順に紹介していく。まず第1回目はコンディット。種付頭数(111頭)、生産頭数(90頭)、血統登録数(88頭)でナンバーワンの実績を誇るが、競走成績も抜けた存在だ。

 デビューは2歳の8月。初勝利は3戦目、7戦目のゴードンS(英GIII)で重賞初制覇と、それほど目立つ馬ではなかったが、続く菊花賞に相当する英セントレジャー(英GI)を勝利してクラシック馬に輝いた。

 ただ、近年の英セントレジャーはかつての権威を失っている。このレースを勝ったからといって、種牡馬としての価値が上がるものではない。コンデュイットが注目を集める存在となるのは、それ以後のことだ。

 北米芝チャンピオン決定戦のBCターフ(米GI)に遠征し、イーグルマウンテンらを退けて優勝。さらに翌年の4歳時は、欧州夏の最大レースで有名なKジョージVI&QエリザベスSを優勝。欧州秋の最大レース、凱旋門賞(GI)ではシーザスターズの4着に敗れたが、続くBCターフを鮮やかに勝利して、史上2頭目の連覇を達成した。

 この年、アメリカ芝牡馬チャンピオンに選ばれている。競走成績に関しては名ステイヤーと呼ぶにふさわしく、文句のつけようがない。

 問題は日本の競馬に対する適性だ。過去にこれら欧米の長距離大レースを勝った馬は、重たい血統構成の馬が多く、パワーを要求される欧州で成功しても、素軽さを要求される日本では苦戦する傾向が続いている。

 コンデュイットも父ダラハニ、母の父サドラーズウェルズで、典型的な欧州御用達血統の組み合わせ。成功するか否かは、この重たさをどう克服するか、素軽さをどこまで伝えられるかにかかっている。

 救いはサンデー系の牝馬が急増していることだろう。サンデーは欧州血脈と相性が良く、この組み合わせでディープインパクトを筆頭に、万能の名馬を次々と送り出した。

 コンデュイットの重たさを、サンデー系の牝馬がどこまで中和し、素軽さを産駒に引き出すか。成功の鍵は、サンデー系の牝馬が握っていると言えるだろう。

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

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