今回は産駒も4歳世代になり、どんどんデータが蓄積してきて、分析も深く出来るようになってきたダイワメジャー産駒を見てみよう。
ダイワメジャー産駒は、闘う意欲(S)が強く、他の要素もほどよく持っているまとまり系だ。
したがって完成度が高く、強い相手により頑張るということはないが怯むこともないし、厳しい状況でも投げ出さない。ただ、デビュー以来再三書いていることだが、心身両面で疲れやすい。この疲れやすさが、短期的なものだけなら、レース間隔を取ることが多いトップクラスではあまり影響はないのだが、中長期レベル、つまり生涯スタンスでも比較的消耗していくのが弱点になる。そのため、激走後は短期的な反動も気になるし、古馬になると蓄積疲労も気にする必要が出てくる。
疲労時には厳しい状況で踏ん張ろうとしなくなるので、精神的に脆く見える産駒も多い。結果、蓄積疲労が慢性化している古馬になると、踏ん張れないイメージがつきまとう。初の古馬戦となったGII毎日王冠勝ち以降、厳しめの話をカレンブラックヒルに関して書いてきたのも、これによるところが大きい。
休み明けで初古馬という二重苦で、伝統のGII毎日王冠を勝ったというのが評価されたが、M的に言えば、中長期的に疲れやすい血統にとって、休み明けの初古馬戦という、短期、長期共に疲れのないときに走らなければ、一体どこで走るのだ?という話だ。
基礎能力、闘う意欲自体はあるので、後は如何に疲労を抜いて目標のレースに出走させるのか?ということに、好走の可能性は掛かっている。
ダイワマッジョーレの安田記念も、ダイワメジャー産駒がGIを取るには、如何にも厳しいステップだった。
近2走は中7週、中5週とそこそこレース間隔を取ったこと、また3走前東京新聞杯から、初めての古馬マイル重賞戦線という鮮度で、連続連対を果たしてきた。
ところが今回は中2週で、伝統のGIIで前哨戦の京王杯SC勝ち後、しかも古馬マイル路線もこれで連続4走目。短期疲労に加え、中期疲労もピークに達していたので、9着に凡走した。これが中7週くらい開いているか、前走を取りこぼしていればチャンスがあったのだが。
エピセアロームの昨秋スプリンターズSもほぼ同じパターンだ。
休み明けの初古馬戦だった北九州記念で3着に好走。続くセントウルSも余勢を駆って1着。ところが中2週で、前哨戦を勝ってしまったスプリンターズSでは、その直近ストレスと古馬のスプリント連続3戦目という蓄積疲労によって、3番人気4着と凡走に終わったのである。
※M3タイプ
S(闘争心)
闘争心を持つ馬。1本調子に走ろうとする性質。このタイプは気性をコントロールするために、短縮などのショック療法が有効。生涯に1度の絶頂期には、あらゆる条件を飛び越しで走ろうとするが、それを過ぎると極めて不安定になる。Sの由来は闘争を表す「Struggle」の頭文字から。
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※正誤表が
競馬王ブログに掲載されています。