土曜日の夕方に弱雨の予報がある程度で、良馬場の見込み。開催日程の変化した今年は開幕週のラジオNIKKEI賞となった。高速馬場に乗ったスピード決着必至だろう。
ハンデ戦となった2006年以降、1番人気に支持された馬は1頭も勝っていない(2着は1頭)。古馬のハンデ戦以上に難しい面があって、波乱の連続。キャリアの浅い3歳馬同士だから、ハンデと能力が一致しないことが多い。
ただし、今年の組み合わせの特徴は、強気に先行するスピード型が少ないこと。GIのスピード重賞NHKマイルCを,「3、5、6、9着」と好走したグループのスピード能力がストレートに反映される可能性が高く、そうなると展開の紛れがもたらす難しい波乱の可能性は小さいのではないか、と考えることができる。
そのNHKマイルCを5着しているガイヤースヴェルト(父ダイワメジャー)から入る。
初芝となった1800mの毎日杯は、うまく好位で流れに乗り、直線抜け出してそのまま粘り込もうかというレース運び。最後はあっさり差し切られてしまったが、勝ったのがのちの日本ダービー馬キズナでは仕方がない。負けはしたものの、初芝の1800mを1分46秒7(上がり36秒0)で乗り切ったのだから立派なものである。
当然、NHKマイルCでは高い支持を受けたが、どちらかというと強気に先へ先へ…のレース運びが多いC.ウィリアムズ騎手に乗り替わっていたためか、芝2戦目の3歳馬とすればかなり厳しいラップを踏んでしまった。逃げ馬を2番手で追って、この馬の前半1000m通過は57秒9。猛ペースというほどではないが息の入れにくい流れ。
そこから直線に向くと、待たずにスパートを開始して逃げ馬を捕らえにかかり、ガイヤースヴェルトの踏んだラップは「11秒3-11秒5…」。1400m通過は1分20秒7となり、ここがきつかった。結局、同馬は最後の1ハロン12秒3と鈍り、マイネルホウオウ、インパルスヒーロー、そして今回も対戦するフラムドグロワール(父ダイワメジャー)などにかわされて5着に沈んだが、厳しい中身を考えると負けて納得だった。
今回は小回りの1800m。強引に飛ばす馬は見当たらないので、すんなり平均ペースの2〜3番手が可能。相手の出方によってはマイペースもある。
ダイワメジャー産駒は、スピードが前面に出すぎるところがあるが、ガイヤースヴェルトの牝系はパワーと底力が真価。種牡馬グリーンダンサー、エルバジェなどが一族の代表馬になり、3代母アイリッシュヴァリーの1歳上の半姉ヴァレダンサントは、みんなオルフェーヴル勝ったと思った昨年の凱旋門賞を、(なにもそんなにムキなって追わなくてもいいのに)ペリエ騎手が差し切ってしまったソレミアの祖母である。
最大の強敵は、平坦に近い福島コースに移ってさらにシャープな切れが生きそうな戸崎騎手のインプロヴァイズ(父ウォーエンブレム)。おそらく1800mこそベスト。デキも目立っていい。同馬はガイヤースヴェルト逆転もある。
そのあと、NHKマイルCで接戦を展開したシャイニープリンス、フラムドグロワール。
押さえに3頭、アドマイヤドバイ、ダイワストリーム、ミエノワンダーと考えた。