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ラジオNIKKEI賞に出走したダイワメジャー産駒の分析

  • 2013年07月03日(水) 18時00分
 ダイワメジャー産駒の話を書いたところに、早速先週のラジオNIKKEI賞で人気のダイワメジャー産駒が出てきた。1番人気ガイヤーズヴェルトと3番人気フラムドグロワールである。両方判断の微妙なダイワメジャー産駒だ。

 フラムドグロワールは、NHKマイルC、ダービーと5月にGI・2戦の過密スケジュール。先週話した疲れているダイワメジャー産駒で、真っ先に危ないパターンになる。

 ただ前走のダービーが10着なのが、何とも微妙なスパイスだ。惨敗後で走ってないので疲れがない可能性もある。6着ぐらいに好走してくれれば、もっと人気になる上に、危険度も増すという、切り捨てることで倍美味しい危ない人気馬になるが、10着とはなんとも微妙だ。

 10着とはいえ0.5秒差で、11番人気と人気薄だったように自身にとって長いといえる2400mだったことを考えると、どちかというと力を出し切った好走の部類だろう。ダイワメジャー産駒は短縮を好むことを考慮に入れると、押さえの1頭程度が妥当な評価だ。

 1番人気のガイヤーズヴェルトはさらに厄介だ。中7週開いているので、ダイワメジャー産駒得意の、間隔を開けて疲労を取るパターンだ。2番人気で5着という着順も疲労を残さない。タイプ的にも今回の条件はピッタリだ。

 ただ、気になることもあった。

 前走は追い込み競馬の激流を、差し馬が2番手から先行して5着に粘るという、かなりの好内容だった。普通に追い込みに回れば勝ち負けだったろう。

 その内容を評価されているわけだが、激流を先行して差し馬が無理矢理粘り込んで好走した後は、さすがに疲れる。また前走は芝2戦目だったが、今回は連続3戦目。しかも3戦とも重賞。蓄積疲労も懸念される。

 そこで、対抗の評価に止めた。

 本命にしたのは同じダイワメジャー産駒でも、前走500万で疲労が少なく鮮度があって、人気もないダイワストリーム。疲労と人気とのバランスから、期待値が高いと判断した。

 唯一気になったのは、ダイワメジャー産駒が持つ、疲労と並ぶもう1つのマイナス要素である体力面だった。馬体が減り続けて、前走がデビュー時より16キロも減っていたのだ。

 中6週開けているので、馬体が戻れば、むしろこれは疲労が取れたプラス材料に一気に転化されるが、もし減っているようだと大きな体力減を生む。

 残念ながら当日、馬体は増えずに減っていた。

 1つの賭けに失敗したわけだが、3歳のこの時期は馬体の流動性が激しいので、問題にならないケースも多く、それ自体致命傷ではないだろう。

 そこで馬体重については、問題に取りあげてはいなかった。今回、体力面で一番気になるのは、展開だ。牝馬でもあり、前走広いコースから、今回小回りになって、激流に飲み込まれるようだと、体力的な問題が出てくる。

 したがって予想では、「緩い流れになって差せば」と書いたのだが、小回りを意識したのか、追い込みで決したレースを、いつもよりかなり前目に位置取りをしてしまった。本来なら、スローの前走東京戦よりペースが上がるのだから、自然にそのまま後ろに位置して体力を温存しながら、自慢のキレ味勝負に持ち込まなければいけないのに、色気を持って前走より前に位置すると、体力を消費して最後まで持たない。

 結果、0.3秒差までは持ち込んだが、牡馬相手の小回り激戦で、長所のキレ味を活かさず短所である正攻法の体力勝負に出てしまった分、体力切れで7着に終わった。

 このように、ダイワメジャー産駒は、ローテーション、位置取り、馬体重などから、疲労と体力面の両方をケアしてあげながら予想しなければいけないので、鮮度が落ちるとリスクは高まる。その困難さ故に敢えて本命にしてみたくもなるが、ギャンブルであることは肝に銘じておかなければならなず、少なくとも人気馬でリスクを冒す必要はないだろう。

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※正誤表が競馬王ブログに掲載されています。

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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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