2歳馬の入厩が遅れがちだった栗東も、各厩舎の上級条件馬が夏休みに入ったことで徐々に頭数が増えてきた。それでもゲート試験受験馬の数はいまだ美浦が圧倒的に多い。そういった背景もあって関西圏では「○○VS○○」といった大物対決図式の新馬戦が少なかったように思うが、今週末の中京で豪華対決が実現−。
日曜(14日)芝1400メートルにロードカナロアの半弟ロードストーム(父マンハッタンカフェ、母レディブラッサム・安田)、そして松田博厩舎の一番やりハープスター(牝=父ディープインパクト、母ヒストリックスター)が登場。今年のPOGドラフトで人気を集めた2頭が早くも激突する。
ロードストームは先週3日の坂路で4ハロン51.5-12.6秒の好時計をマーク。安田調教師のトーンもさぞ高かろうと思って話を聞きに行くと「まだ幼いんですよね。それでも入厩当初に比べれば真面目になってきましたが…。馬体もまだ薄いので使ってからグッと良くなるはず」。これだけの好時計を出しているのに“使ってから”というのは違和感があるが、よくよく話を聞けばそれも納得だ。
「ロードカナロアの下ということで、どうしてもこちらも求めるものが大きくなる。まだ若いこともあって慎重に見てしまうんです」。ロードストームにとっては偉大過ぎる兄の存在が恨めしいかもしれないが、この時期にこれだけの時計で動けるのだから秘めた可能性は相当。トレーナーの慎重さを差し引いても1番人気は間違いなかろう。
一方のハープスターも全兄のピュアソウル(現古馬500万下)とよく比較されてきた。もっともこちらは「ピュアソウルと違って体があるし、精神的なゆとりもある。体の使い方が柔らかくて全然違う」と松田博調教師の評価は常に兄以上。調教が進むにつれ、トレーナーの自信は“確信”に変わりつつあるよう。
「格上と併せても真面目に走るし、動きに柔軟性がある。やっぱり走るだろ」と記者にも「どうだ」と言わんばかり。確かに兄に比べて動きは滑らか。見ているだけでも背中の柔らかさが伝わってくる。中留助手も「乗りやすいし、いい動きをしますよ」と素質の高さを感じているようだ。
ただ、そんなハープスターも兄とよく似ているところがある。それは尾をリズミカルに振って歩くところ。ピュアソウルが母親に育てられたのに対し、こちらは乳母をつけられて育ったのだが、このあたりはサラブレッドの「血」なのか。
素質馬2頭の激突は今から楽しみだが、それぞれの兄と比べてどのような走りを見せるか。その点にも注目してほしい。
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