8、9日のセレクトセールの前に、某若手調教師の元に知らない番号から電話がかかってきたそうだ。内容はセレクトセールで馬を買いたいので、そのうち何頭か預かってくれないか――。株関連の事業をしている新規馬主からの依頼だった。世の中の景気を反映する場ともいわれるセレクトセールだが、こうした新しいオーナーが出てくるのもアベノミクス効果だろうか。
2日間のトータルで117億6470万円。今年はセレクトセール史上最高の落札総額となった。日本競走馬協会副会長の吉田照哉氏は、この結果に「アベノミクス? その効果もあると思いますね」とその盛況ぶりに笑顔を見せたそうだ。良血のディープインパクト産駒だけでなく、中間層の馬も平均的に高い値段でよく売れていた。何にせよ、セリの場がにぎわうのは競馬界として素晴らしいことだ。
そんな中で「セリが盛り上がるのはいいことだけど、競馬界にとって一番重要なのは、そこではない」と言う人もいる。沖調教師だ。
「デパートでも今、高級品はよく売れるというけど、それ以外の消費は、そうでもない。アベノミクスで潤っているのは一部の上級層だけで、一般庶民の景気が良くなったという話は聞かない。それではダメだ」。続けて「日本の競馬の賞金はファンが馬券に投じてくれたお金から成り立っている。そうしたファン全体の景気が良くなって初めて、競馬界がかつてのように盛り上がっていくのだと思う」。
確かに沖師の言う通り、日本の競馬における一番の柱は、やはり馬券の売り上げ。セリだけではなく、この部分の“景気”が良くなってこそ、競馬界全体に活気が出てくるのだろう。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
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