7月最後の土日となった27日、28日の両日にわたり、浦河町西舎にあるJRA日高育成牧場特設会場にて「うらかわ馬フェスタ」が開催された。従来別々に行われてきた「シンザンフェスティバル」と「浦河競馬祭」とが合体し「うらかわ馬フェスタ」としてこの時期に合同開催するようになってからこの名称がつけられた。シンザンフェスティバルは28回目、浦河競馬祭は47回を数える。
先週後半より日高地方は曇りまたは雨の週間予報が続き、当初は土日も雨予報であった。にもかかわらず、終わってみればほぼ晴れまたは曇りの天候に恵まれ、過去最大級の人出で大にぎわいとなった。
土曜日はシンザンフェスティバル前夜祭からスタートした。まず新たに第27代ミスシンザンに選出された佐藤由香利さん(20歳)と小野寺真悠さん(23歳)が紹介され、続いて過去1年間に行われたG1競走に優勝した浦河産馬(ホッコータルマエ=かしわ記念、帝王賞、メイショウマンボ=オークス)に対し、フェスティバル実行委員会より表彰状が生産者の(有)市川ファームと(有)高昭牧場に贈られた。

トーチに点火するカップル2組
この前夜祭のメインは恒例の馬上結婚式。今年も全国各地より応募があり、その中から地元浦河町にていちご栽培に取り組む小笹雄輝さん(31歳)と馬場真代さん(28歳=滋賀県栗東市)、そして日高町の地方公務員である鈴木亨さん(31歳)と真希さん(29歳)の2組が選ばれた。JRA日高育成牧場より提供された儀仗馬車に乗ったカップルが場内に登場すると多くの人々がカメラを向け祝福した。2組が舞台に揃ったところでフェスティバルの中島雅春・実行委員長より挙式証明書と記念品の目録が贈呈された。その後、指輪交換を行い、司会者からキスを交わすように促される場面もあった。日本広しといえども、儀仗馬車で入場する結婚式はなかなか経験できることではなく、この馬上結婚式は毎年人気が高い。
結婚式の余韻が残る中、会場に詰めかけた多くの方々は、ジンギスカンに舌鼓を打ちながら、ものまねで人気上昇中のやしろ優さんのショーや、逸品揃いの競馬グッズオークションなどを愉しんだ。

「第5回ジョッキーベイビーズ」北海道予選は
姉2人に続き大池駿和君が優勝
28日の日曜日は、当初から降水確率80%との予報で、絶対に雨は避けられないだろうと言われていたにもかかわらず、いざ当日になってみると、どういうわけか朝から晴天であった。この日は浦河競馬祭も特設会場に隣接した1600mダートコースで開催された。12レースにポニーからサラブレッド、和種などが出走し、3頭立てながら繋駕レースも行われた。
また、来る11月3日(日)に行われる「第5回ジョッキーベイビーズ」の北海道予選が第2、第7レースに組まれ、200m、350mと距離の異なる2レースの合計ポイントで争われた。その結果、8頭中いずれの予選も1着でゴールしたメルモ号騎乗の大池駿和(はやと)君が代表に選出され、山野辺啓・JRA日高育成牧場場長より招待状が贈呈された。大池駿和君は浦河町立東部小学校5年生。これで昨年、一昨年と続けて北海道代表に選ばれた姉2人に続いて、姉弟で3人目の快挙である。「すごく嬉しいです。全国大会に出るからには1位を狙いたい」とインタビューに答えていた。

ボールプールで楽しむ子供達

巨大滑り台を滑り降りる子供達
シンザンフェスティバルでは今回初めて子供向けのアトラクションを数多く導入し、バンジートランポリンや巨大滑り台、ボールプールなどを用意した。その効果は絶大で、天候にも恵まれたことから、午前中より数多くの家族連れが会場を訪れた。また日曜日にはお笑いタレントの「我が家」がJRAトークショーに出演したことも人気を集めた要因である。
場内では例年通り、JRAホースショーや無料乗馬が行われ、また無料馬車なども運行されて、多くの馬好きの目を楽しませてくれた。ほとんど晴れまたは曇りで経過し、全日程の大半を消化した午後3時頃になってからついに雨が降り出したものの、まずは大成功であった。
やはり、多くの方々で賑わう光景は気持ちが良い。シンザンフェスティバルに関わり始めて長いのだが、これほど多くの人出は本当に久々であった。メニューによってはこれほどの集客力が見込めるのである。