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netkeiba

人気の追い込み馬に注意

  • 2013年08月06日(火) 12時00分
 私が強く主張している競馬格言のひとつが、「馬券は迷ったら前から」。つまり逃げ・先行馬重視である。

 展開の紛れは前に位置する馬に有利な形で発生することが多いし、先行タイプのほうが不利も受けづらい。どの馬が良い位置を取れるかは別として、結果的に先行できた馬の勝率や複勝率、単複回収率などは高い数値を示すことが多い。

 この発想は、穴買いの馬券愛好家にはかなり常識になっていると思う。そして、前を重視するということは後ろを軽視するということでもある。人気馬が追い込み脚質の場合は、その馬が差し遅れて馬券外になることを期待するわけだ。

 関屋記念を新コースになった2001年以降について振り返ってみても、4角を3番手以内で回った馬の複勝回収率が106%だから、「前重視」はそう間違っていない。しかし、関屋記念にはそのコース形態からちょっと厄介な問題がある。人気サイドの追い込み馬が届きやすいのだ。つまり「後ろ軽視」も度が過ぎると、ヒモ抜けの危険があるということになる。

 01年以降の関屋記念で、4角を13番手以下で回った馬の成績は(3.3.1.32)。連対率は15.4%で、出走全馬平均の12.9%を上回っている。

 ならばそのグループを買えばいいのかというとそうではなく、回収率は単36%・複45%。それなりに馬券に絡んでいて回収率が低いというのは、つまり人気サイドの馬しか来ていないということだ。

 先述した(3.3.1.32)のうち、1〜2番人気だった馬は(3.2.0.1)。あとは4番人気馬の2着が1回。人気薄は12番人気馬の3着が1回あるだけだ。

 今回の登録馬だと、ジャスタウェイはそこまで後ろにならないかもしれないが、レオアクティヴあたりは後方からの競馬になる可能性も高い。「馬券は前から」を実践している人も、今週に限ってはこういったタイプにも△くらいは打っておいたほうがよい、というのが過去の傾向である。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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