私が強く主張している競馬格言のひとつが、「馬券は迷ったら前から」。つまり逃げ・先行馬重視である。
展開の紛れは前に位置する馬に有利な形で発生することが多いし、先行タイプのほうが不利も受けづらい。どの馬が良い位置を取れるかは別として、結果的に先行できた馬の勝率や複勝率、単複回収率などは高い数値を示すことが多い。
この発想は、穴買いの馬券愛好家にはかなり常識になっていると思う。そして、前を重視するということは後ろを軽視するということでもある。人気馬が追い込み脚質の場合は、その馬が差し遅れて馬券外になることを期待するわけだ。
関屋記念を新コースになった2001年以降について振り返ってみても、4角を3番手以内で回った馬の複勝回収率が106%だから、「前重視」はそう間違っていない。しかし、関屋記念にはそのコース形態からちょっと厄介な問題がある。人気サイドの追い込み馬が届きやすいのだ。つまり「後ろ軽視」も度が過ぎると、ヒモ抜けの危険があるということになる。
01年以降の関屋記念で、4角を13番手以下で回った馬の成績は(3.3.1.32)。連対率は15.4%で、出走全馬平均の12.9%を上回っている。
ならばそのグループを買えばいいのかというとそうではなく、回収率は単36%・複45%。それなりに馬券に絡んでいて回収率が低いというのは、つまり人気サイドの馬しか来ていないということだ。
先述した(3.3.1.32)のうち、1〜2番人気だった馬は(3.2.0.1)。あとは4番人気馬の2着が1回。人気薄は12番人気馬の3着が1回あるだけだ。
今回の登録馬だと、ジャスタウェイはそこまで後ろにならないかもしれないが、レオアクティヴあたりは後方からの競馬になる可能性も高い。「馬券は前から」を実践している人も、今週に限ってはこういったタイプにも△くらいは打っておいたほうがよい、というのが過去の傾向である。