最近10年間の勝ちタイムは、1分31秒台が3回。1分32秒台が7回。新潟は少々の雨は関係ないから、日本を代表する快速の1600m重賞らしい速い時計の決着が続いている。
ただ、高速決着といっても、レース全体のペースが速いから快時計が記録されるわけではない。ほとんど平坦といっていいコースは、夏の野芝の根が張っているから、軽い芝コンディション。芝状態によるところが大きい。最後の直線の長さが影響し、最近はスローな流れが目立ち、レコードの1分31秒5が記録されたドナウブルーの昨年でさえ、レース全体のバランスは、「47秒0-44秒5」。後半の半マイルのほうが2秒5も遅いスローペースだった。2番手でなだめていたドナウブルーの1000m通過は、高速の新潟では未勝利戦級のゆっくりペースで58秒9。上がりだけが猛烈に速く、32秒6。2着も同じ位置で進んだエーシンリターンズだった。
今年のメンバーも飛ばす馬は見当たらず、ほぼ昨年と同じようなバランスの前後半が予測される。ハイペースになる可能性は少ない。
差しタイプのスパートのタイミングは難しい。ドナウブルーと前後する位置でレースを進めるはずのレッドスパーダから入りたい。
故障休養、のどの手術などがあって、長いスランプ期間、順調に使えない時間が長かったが、前回の1400mはブリンカーを装着して先行し、1分20秒1。自己最高タイムで抜け出した。明らかに復活、それも完全復活に近いと思える。マイルの最高タイムは、4歳1月の東京新聞杯の1分32秒1。速くないようにも映るが、約3年半前になる当時の東京1600mのレコードは1分32秒0なので、現在なら、馬場差を考えれば1分31秒台にも相当の快時計である。
大跳びのフットワーク、どうみても典型的な平坦巧者の血筋、母の父は今春ブレークしたストームキャット。初コースだが、新潟1600mは良績のある東京1600mよりはるかに合っているだろう。タイキシャトルの産駒は、スピード系らしく完成されるのが早いが、早熟とは異なる。早熟なら58キロの前回の好時計勝ちはムリだろう。平坦なら詰めの甘さは出ないはずだ。
相手は、インから早め早めに中団ぐらいに付け、上がりの速い競馬に対応すべくインから突っ込んできそうなレオアクティブ。この馬はすでに、高い新潟適性を示している。次いで、昨年と同じ54キロで出走できるドナウブルー。
差しタイプでは、上がり32秒台の記録から、新潟なら31秒台も可能ではないかとも思えるジャスタウェイが筆頭。次いでムクドク、フラガラッハ。直線だけの競馬になると意外に怖い気がするニシノメイゲツも加えたい。