滞在していた小倉から栗東へと帰還すると、もう書き切れないほどのネタが一度に入ってくるからたまらない。書きたいことはいろいろあるが、まずは今週行われる新潟2歳Sに出走を予定しているハープスター(牝・松田博)の話題から。
デビュー戦(中京芝1400メートル)はロードカナロアの半弟ロードストームに体当たり?を食らって内ラチの方に飛ばされる形に。勝ったとはいえ、繊細な2歳牝馬。その後のダメージが気になっていたのだが、先週水曜(14日)に久々に調教を見ることができた。
ウッドでのラブラバード(3歳500万下)との併せ馬は気負う様子もなく、鞍上・川田の指示を待っているかのような走り。直線に向いてゴーサインが出ても、川田のアクションの分だけ加速するといった感じなのだ。
遊びたい盛り、走りたい盛りの普通の2歳馬なら、ゴーサインが出た途端にやみくもに気が済むまで走るものだが(全兄のピュアソウルがそうだった)、そういう若さ、ハツラツさがないというか、裏を返せば2歳馬とは思えないほどクレバー。そういった印象を松田博調教師にぶつけると、ニヤリと笑みを浮かべてこう答えた。
「そこが違うところよ。なまくらなところもあるが、とにかく頭がいいので普段から余計なことをしない。動きには余裕があったが、ちぎるまでは走らないだろう? かといって遊んでいるわけでもない。そういうところが賢いよな」
気になっていた初戦のダメージについても「この中間の併せ馬でも周りを気にするようなところはありませんからね。大丈夫だと思います」と普段の調教をつける中留助手が言うのだから問題なしとみていいだろう。
初戦の内容、中間の追い切りを見てもまだまだ底が見えてこない“天才肌”ハープスターだが、「キュウ舎周りの運動でもめったにイレ込まないが、後ろで暴れられると怒る」(松田博師)そうだ。これでピンときた人はなかなかの松田博通。かの大先輩ブエナビスタもそうだった。もっとも、ブエナビスタの場合は「黙れ!」という強い威嚇の意思を感じるくらいすさまじいものだったが…。
名馬がおしなべてこうした性格を持っているとは限らないが、担当していた山口キュウ務員がブエナビスタを「自分を持っている」と評したように、意思の強さやこだわりは一流馬に共通するものなのかもしれない。
そこで、もう一頭注目したい馬がいる。10日の新潟芝外1600メートル新馬戦で3馬身半差の圧勝を飾ったサトノアラジン(牡・池江)だ。この馬も「普段はおとなしくて手がかからないが、周りで暴れるのがいると“何やってるんだ”とばかりに怒るんだ」と池江調教師が「素」の姿を教えてくれた。果たしてサトノアラジンも超のつく一流馬への道を歩むのか? 来週はその可能性に迫ってみたい。
※本日は『トレセン発秘話』も更新されております。下部のバックナンバーからご覧ください。
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