スマートフォン版へ

厩舎周りの運動でもめったにイレ込まないが後ろで暴れられると怒る/吉田竜作マル秘週報

  • 2013年08月21日(水) 19時00分
 滞在していた小倉から栗東へと帰還すると、もう書き切れないほどのネタが一度に入ってくるからたまらない。書きたいことはいろいろあるが、まずは今週行われる新潟2歳Sに出走を予定しているハープスター(牝・松田博)の話題から。

 デビュー戦(中京芝1400メートル)はロードカナロアの半弟ロードストームに体当たり?を食らって内ラチの方に飛ばされる形に。勝ったとはいえ、繊細な2歳牝馬。その後のダメージが気になっていたのだが、先週水曜(14日)に久々に調教を見ることができた。

 ウッドでのラブラバード(3歳500万下)との併せ馬は気負う様子もなく、鞍上・川田の指示を待っているかのような走り。直線に向いてゴーサインが出ても、川田のアクションの分だけ加速するといった感じなのだ。

 遊びたい盛り、走りたい盛りの普通の2歳馬なら、ゴーサインが出た途端にやみくもに気が済むまで走るものだが(全兄のピュアソウルがそうだった)、そういう若さ、ハツラツさがないというか、裏を返せば2歳馬とは思えないほどクレバー。そういった印象を松田博調教師にぶつけると、ニヤリと笑みを浮かべてこう答えた。

「そこが違うところよ。なまくらなところもあるが、とにかく頭がいいので普段から余計なことをしない。動きには余裕があったが、ちぎるまでは走らないだろう? かといって遊んでいるわけでもない。そういうところが賢いよな」

 気になっていた初戦のダメージについても「この中間の併せ馬でも周りを気にするようなところはありませんからね。大丈夫だと思います」と普段の調教をつける中留助手が言うのだから問題なしとみていいだろう。

 初戦の内容、中間の追い切りを見てもまだまだ底が見えてこない“天才肌”ハープスターだが、「キュウ舎周りの運動でもめったにイレ込まないが、後ろで暴れられると怒る」(松田博師)そうだ。これでピンときた人はなかなかの松田博通。かの大先輩ブエナビスタもそうだった。もっとも、ブエナビスタの場合は「黙れ!」という強い威嚇の意思を感じるくらいすさまじいものだったが…。

 名馬がおしなべてこうした性格を持っているとは限らないが、担当していた山口キュウ務員がブエナビスタを「自分を持っている」と評したように、意思の強さやこだわりは一流馬に共通するものなのかもしれない。

 そこで、もう一頭注目したい馬がいる。10日の新潟芝外1600メートル新馬戦で3馬身半差の圧勝を飾ったサトノアラジン(牡・池江)だ。この馬も「普段はおとなしくて手がかからないが、周りで暴れるのがいると“何やってるんだ”とばかりに怒るんだ」と池江調教師が「素」の姿を教えてくれた。果たしてサトノアラジンも超のつく一流馬への道を歩むのか? 来週はその可能性に迫ってみたい。

※本日は『トレセン発秘話』も更新されております。下部のバックナンバーからご覧ください。

今日の東京スポーツ一面

今日の東京スポーツ一面

東京スポーツ 今日の紙面
キズナ 武豊を背に自己ベスト更新! 2馬身先着
オルフェーヴル ラスト11.9秒の猛時計
【新潟2歳S】ハープスターを松田博師絶賛「ブエナとは違う賢さ」
【新潟2歳S】マキャヴィティ 坂路で余力十分にラスト11.8秒
【エルムS】ブライトライン 併せ遅れも福永“収穫”強調

ブランケット版による大型紙面が大迫力となって読者の目を射る。夕刊時間帯による海外ゴルフ等の速報。未来の情報エリアをリードする総合スポーツ・レジャー紙は東京スポーツ、大阪スポーツ、中京スポーツ、九州スポーツの日本列島縦断の4社体制。特に東京、大阪、中京の3紙は、同時印刷を行っている。メイン紙面は東京制作であるが各紙各々地域に密着した紙面も制作している。九州のみ朝刊として発行、独特な紙面づくりを行っている。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

2010年に創刊50周年を迎えた夕刊紙。競馬確定面「競馬トウスポ」(大阪スポーツは「競馬大スポ」、中京スポーツは「競馬中京スポ」)は便利な抜き取り16ページで、中身は東スポグループだからこその超充実ぶり。開催3場の全36レース(2場開催の場合は全24レース)の馬柱を完全掲載しています。

関東・舘林勲、大阪・松浪大樹の本紙予想のほか、記者による好評コラム(「一撃・山河浩、馬匠・渡辺薫など)、そして競馬評論家・井崎脩五郎、爆笑問題の田中裕二、IK血統研など超豪華執筆陣の記事も読みごたえたっぷり。馬券作戦に役立つ情報が満載です。

関連サイト:競馬トウスポWeb

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング